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令和4年予算決算特別委員会 本文 2022-09-29
令和4年予算決算特別委員会 概要 2022-09-29

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  1. 福井県議会 2022-09-29
    令和4年予算決算特別委員会 本文 2022-09-29


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和4年予算決算特別委員会 本文 2022-09-29 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 207 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯山岸委員長 2 ◯清水委員 3 ◯総務部長 4 ◯清水委員 5 ◯教育長 6 ◯清水委員 7 ◯知  事 8 ◯清水委員 9 ◯知  事 10 ◯清水委員 11 ◯清水委員 12 ◯農林水産部長 13 ◯清水委員 14 ◯農林水産部長 15 ◯清水委員 16 ◯清水委員 17 ◯文化スポーツ局長 18 ◯清水委員 19 ◯清水委員 20 ◯健康福祉部長 21 ◯清水委員 22 ◯清水委員 23 ◯健康福祉部長 24 ◯清水委員 25 ◯健康福祉部長 26 ◯清水委員 27 ◯山岸委員長 28 ◯畑委員 29 ◯知  事 30 ◯畑委員 31 ◯畑委員 32 ◯土木部長 33 ◯畑委員 34 ◯土木部長 35 ◯畑委員 36 ◯知  事 37 ◯畑委員 38 ◯土木部長 39 ◯畑委員 40 ◯産業労働部長 41 ◯畑委員 42 ◯産業労働部長 43 ◯畑委員 44 ◯産業労働部長 45 ◯畑委員 46 ◯山岸委員長 47 ◯山岸委員長 48 ◯佐藤委員 49 ◯安全環境部長 50 ◯佐藤委員 51 ◯知  事 52 ◯佐藤委員 53 ◯安全環境部長 54 ◯佐藤委員 55 ◯安全環境部長 56 ◯佐藤委員 57 ◯安全環境部長 58 ◯佐藤委員 59 ◯安全環境部長 60 ◯佐藤委員 61 ◯安全環境部長 62 ◯佐藤委員 63 ◯安全環境部長 64 ◯佐藤委員 65 ◯安全環境部長 66 ◯佐藤委員 67 ◯安全環境部長 68 ◯佐藤委員 69 ◯安全環境部長 70 ◯佐藤委員 71 ◯安全環境部長 72 ◯佐藤委員 73 ◯安全環境部長 74 ◯佐藤委員 75 ◯知  事 76 ◯佐藤委員 77 ◯知  事 78 ◯佐藤委員 79 ◯総務部長 80 ◯佐藤委員 81 ◯文化スポーツ局長 82 ◯佐藤委員 83 ◯文化スポーツ局長 84 ◯佐藤委員 85 ◯文化スポーツ局長 86 ◯佐藤委員 87 ◯山岸委員長 88 ◯島田委員 89 ◯農林水産部長 90 ◯島田委員 91 ◯農林水産部長 92 ◯島田委員 93 ◯農林水産部長 94 ◯島田委員 95 ◯知  事 96 ◯島田委員 97 ◯農林水産部長 98 ◯島田委員 99 ◯農林水産部長 100 ◯島田委員 101 ◯山岸委員長 102 ◯畑副委員長 103 ◯西本(正)委員 104 ◯知  事 105 ◯西本(正)委員 106 ◯総務部長 107 ◯西本(正)委員 108 ◯総務部長 109 ◯西本(正)委員 110 ◯西本(正)委員 111 ◯土木部長 112 ◯西本(正)委員 113 ◯嶺南振興局長 114 ◯西本(正)委員 115 ◯嶺南振興局長 116 ◯西本(正)委員 117 ◯西本(正)委員 118 ◯土木部長 119 ◯西本(正)委員 120 ◯土木部長 121 ◯西本(正)委員 122 ◯西本(正)委員 123 ◯農林水産部長 124 ◯西本(正)委員 125 ◯西本(正)委員 126 ◯安全環境部長 127 ◯西本(正)委員 128 ◯安全環境部長 129 ◯西本(正)委員 130 ◯知  事 131 ◯西本(正)委員 132 ◯山岸委員長 133 ◯山岸委員長 134 ◯渡辺委員 135 ◯健康福祉部長 136 ◯渡辺委員 137 ◯健康福祉部長 138 ◯渡辺委員 139 ◯知  事 140 ◯渡辺委員 141 ◯文化スポーツ局長 142 ◯渡辺委員 143 ◯文化スポーツ局長 144 ◯渡辺委員 145 ◯知  事 146 ◯渡辺委員 147 ◯教育長 148 ◯渡辺委員 149 ◯教育長 150 ◯渡辺委員 151 ◯教育長 152 ◯渡辺委員 153 ◯教育長 154 ◯渡辺委員 155 ◯知  事 156 ◯渡辺委員 157 ◯健康医療政策監 158 ◯渡辺委員 159 ◯健康医療政策監 160 ◯渡辺委員 161 ◯知  事 162 ◯渡辺委員 163 ◯農林水産部長 164 ◯渡辺委員 165 ◯山岸委員長 166 ◯仲倉委員 167 ◯土木部長 168 ◯仲倉委員 169 ◯知  事 170 ◯仲倉委員 171 ◯知  事 172 ◯仲倉委員 173 ◯農林水産部長 174 ◯仲倉委員 175 ◯農林水産部長 176 ◯仲倉委員 177 ◯知  事 178 ◯仲倉委員 179 ◯土木部長 180 ◯仲倉委員 181 ◯知  事 182 ◯仲倉委員 183 ◯知  事 184 ◯仲倉委員 185 ◯地域戦略部長 186 ◯仲倉委員 187 ◯地域医療対策監 188 ◯仲倉委員 189 ◯新幹線・まちづくり対策監 190 ◯仲倉委員 191 ◯新幹線・まちづくり対策監 192 ◯仲倉委員 193 ◯知  事 194 ◯仲倉委員 195 ◯新幹線・まちづくり対策監 196 ◯仲倉委員 197 ◯新幹線・まちづくり対策監 198 ◯仲倉委員 199 ◯新幹線・まちづくり対策監 200 ◯仲倉委員 201 ◯交流文化部長 202 ◯仲倉委員 203 ◯地域戦略部長 204 ◯仲倉委員 205 ◯山岸委員長 206 ◯山岸委員長 207 ◯山岸委員長 ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯山岸委員長  ただいまより、予算決算特別委員会を開会する。  本日の委員会は、新型コロナウイルス感染症対策として通常の休憩に加え、換気のための休憩を取る予定としているので、了承ください。  委員の席はただいま着席のとおり指定したので、了承願う。  また、マイボトル等による水分補給については、委員会中は遠慮いただき、休憩中に願う。  次に、傍聴される方に申し上げる。  先にお知らせした留意事項を守って傍聴を願う。  これより、昨日に引き続き、総括審査に入る。  質疑を行う。  本日の発言順序はお手元に配付のとおりとし、発言者はこの順序により持ち時間の範囲内において発言を願う。  これより清水委員の質疑を行う。  なお、清水委員より、資料の使用について申出があり、許可したので了承願う。         「企業人材の育成について」         清水 智信 委員 2 ◯清水委員  自民党福井県議会の清水智信である。  諸事情によって一般質問ができなかったので、今回、しっかりと頑張っていきたいと思う。  前回、議会の超党派で子どもの未来推進議連が設立され、子ども施策は非常に幅広いが、最初、何をしようかということで、最初は県内の子どもたちが県内でしっかり学べる場所をもっとつくろうということで、先日、各大学の副学長をお呼びして、ふくいアカデミックアライアンスの取組の勉強会をした。  いろいろ意見はあったが、そこで自分が一番気になったのが、現在、福井大学の工学部の学生で福井県出身者が2割しかいないというようなことであり、これは以前からずっと言っていることだが、資料1の2016年度の卒業生のデータであるが、2016年度の工学部の卒業生で就職した人数というのが243名、そのうち福井県出身者は78名ということで、このときは32%いた。その後、福井県出身者がどれだけ福井に残ってくれるかというと68名ということで、やはり福井県出身者はほぼ福井で就職してくれる。  また、次に多い学生は愛知県を中心とした中部地方の学生だが、愛知県は75名、これも大体30%である。この中部地方の学生がどれくらい福井県に就職してくれるのかと見ると、わずか2人ということで、これはどこかの大手企業の養成学校になっているのだなあというふうに思う。もちろん国立大学ではあるが、今、人口減少社会の中でしっかりと地域に貢献できる大学でないといけないと思う。  別にこれは福井大学だけに言っているわけではなく、やはり福井県の人材で理系の人材が非常に不足しているわけであって、やはりもっと県全体で理系人材の確保、育成をしていかなければいけないというふうに思う。
     文部科学省もデジタル化や脱炭素分野等に関わる理工系学部の新設や拡充を促すため、学部再編に取り組む大学を財政支援する方針を固めた。  また、政府の教育未来創造会議の提言に理系の女学生、リケジョを支援する新たな奨学金制度が盛り込まれるなど、理系女子を増やす取組が加速している。また、名古屋大学や富山大学でも、2023年度から学校推薦型選抜で工学部に女子枠を導入するということである。  先日の勉強会でも、福井大学の副学長から「福井県には理系女子を増やすような政策がない」というような意見もあった。県内企業で理系人材が不足している中、今まで以上に理系人材の確保、育成に向けた政策を強力に推し進めるべきである。  そこで、県内企業で活躍する理系人材をどのように育成するのか、県内の大学全体で枠組みを考える必要があると思うが、所見を伺う。 3 ◯総務部長  指摘のとおり県内大学の理系学部では、入学者に占める県内出身者割合が文系学部に比べ低い状況にあり、理系人材確保のためには、まずは県内高校から県内大学の理系学部への進学強化を図る必要があると考えている。  また、進学のみならず大学においても、理系女子を含め県内企業で活躍する理系人材を育成していくということも必要であり、このためには、大学の学びの中で県内企業と学生の接点を増やすことが重要と考えている。  このため、進学の強化対策としては各大学における総合型選抜入試の拡大や高校生向けの大学授業の実施、また、企業との接点を増やすという点からは、企業が抱える実際の課題を学生が解決する、いわゆるPBL(プロジェクトベースドラーニング)などの実践型教育をさらにその取組を加速させたいと考えており、こうしたことを大学、産業界、県などで構成する未来協働プラットフォームふくいの枠組みを活用して、進学と就職の両面から理系人材の育成・確保に向けた取組を進めていきたい。  また、さらなる強化ができないかについても検討していきたいと思う。 4 ◯清水委員  ぜひ、今後さらに強化できるように検討していただきたいと思う。  今、言ったように理系人材、リケジョを増やそうと国もやっているので、そうしたリケジョを増やす取組をしていただきたいが、やはりそのためには学校教育の中からしっかりやっていかないといけないのかと思う。やはりそうした科学技術は男子が得意というようなバイアスもあるし、そうした中でもっと興味を持ってもらえるような教育が必要ではないかなと思うが、教育長、いかがか。 5 ◯教育長  福井県では理数グランプリというものをやっているが、多くの女子児童生徒も参加していただいている。  ただ、小学校では5割が女子なのだが、中学校、高校と上がっていくとやはり3割程度に減ってしまうという現状である。今後も多くの女子に参加してもらえるように働きかけたり、あるいは理科や算数、数学への興味・関心を高めていきたいと思っている。  また、今年、新たに中高生に対してNPO法人Waffleに協力いただき、女性技術者によるWebサイトの制作講座なども行っている。また、今月には丸岡高校において、ふくい女性財団と連携して味の素株式会社の女性社員から学生時代の理系選択の経験や就職活動、ライフスタイルについて、お話をいただいている。  このように女性活躍のロールモデルに出会う機会を充実することで、女性のキャリアイメージの形成を図っていきたいと考えている。 6 ◯清水委員  今おっしゃったように今後も続けていただきたいなと思う。  僕も、ボクシングしかしていなかったように見えて、うちのじいちゃんが数学の先生だったので数学だけは得意だったのだが、やはりそうした数学の考える力というのはボクシングにも生かされたなあと思うので、ぜひそういった取組を進めていただきたいと思う。  次が一番言いたいことなのだが、最近、非常に問題だなと思うことがあって、それは奨学金の問題である。奨学金というのは家庭的事情とか経済的事情のある家庭の子でも奨学金を活用して進学できたり、そうした人生の幅を広げられる非常に重要な制度だと思う。  ただ現在、日本学生支援機構の調査では、1996年では奨学金を借りて進学した学生が21.2%で5人に1人が借りていたという状況である。ただ2020年になると49.6%になって、今やもう2人に1人が何らかの奨学金を借りて進学している状況であり、それを聞いて、すごいなあというふうに思ったのである。  ただ、この奨学金というのは、聞こえはいいが、いわば借金というか金利の安い学生ローンみたいなもので、もちろん給付型もあるが、やはり多くは貸付型であり借金である。  そういう中で、社会人になっていきなり何百万円という借金を背負ってスタートするというのは、それはやはり結婚も考えられないだろうなあというふうに思うし、現にその奨学金を返済している中で、生活設計の影響が結婚ということが一番多くて31.6%の人が「結婚への影響があった」ということで、こういうことを解決することは結婚生活とかにつながってくるのではないのかなと思う。  こうした中、国のほうも2020年、給付型奨学金の拡充をしているが、やはりまだまだハードルが高いということである。  福井県の現在の奨学金の制度というのはUIターンしてくれた人、UIターンした学生に県が指定した業種、建設業とか製造業に就職してくれたら、年間50組くらいに最大100万円を企業版ふるさと納税で支援している。これは本当にすばらしいことなのだが、これは多くの都道府県がやっていて、UIターン政策としては非常に重要なので、今後も続けてほしいと思う。  では、県内で学んでいる子たちはどうなのかと。しかも今、FAAでこれから県内に進学する人を3分の1から2分の1に増やそうという中で、県内で大学に行った子たちはどうなるのだと思う。もちろんこういったことは財政の問題とかいろいろあるが、もっと何かできないのかなと思う。  この点、他県では若年層の人材確保と返済の負担軽減のため企業と連携して奨学金返済を支援している事例もある。  例えば、資料2であるが、広島県では、企業が従業員に対する返済支援を行う場合に県が支援しており、例えば、毎年20万円を返済している従業員ならば、企業がその半分の10万円、そしてその県が企業分の半分の5万円を3年間支援している。  企業側からは、「この制度を取り入れると他社との差別化につながり、就職先として学生に選んでもらえる」という声があったり、人材確保に役立っている。  また、従業員アンケートでも、奨学金返済の負担軽減はもちろん、帰属意識が高まったそうである。ほかにも鳥取県や兵庫県でも似たような制度で奨学金返済の支援を行っている。  本来は国がもっとしっかりと取り組むべきであるが、人材確保と奨学金返済の負担軽減の両方を解決できる制度を導入すれば、県内大学で奨学金を借りている学生の支援にもなる。UIターン生の対象業種を拡充したり、県内学生も対象にしたり、あるいは企業と連携し人材確保と奨学金返済の負担軽減となる制度を導入したりするなど、関係部局が連携し県内大学、県外大学を問わず学生の支援を手厚くすべきと考えるが、知事の所見を伺う。 7 ◯知  事  委員、指摘のとおり本当に学生時代の奨学金は、借りるときは大学に入りたいという思いがあって一生懸命、何とかしようというので奨学金を借りていくのだが、いざ就職して返す時期になると、平均的に見ても2万円近いお金を十何年も返し続けなければいけない。特に若い時期の2万円というのは大きいなと思っており、そういう意味で人生全体の設計が大分、変わってくると感じるわけである。  福井県においては、今、指摘をいただいたが、UIターンを促進しようという観点から、平成28年から、特に有効求人倍率が高い、言ってみれば人集めができにくい理系分野、特に最初は建設業とか看護師とか農林水産、こういった分野限定で始めさせていただいているところで、その後、業種を広げたりとか人数を増やしたりとか、3年生も対象にするとか、こういうふうにして順次、拡大をしてきているというところである。昨年度末までで実際205人のUIターンしてくれている人がいるという状況になっているわけである。  規模感から言っても、1人当たり上限100万円返済してあげるとか、それから5年間にわたって援助するとか、人数は55人とか、こういった規模間で言うと全国の都道府県では大体十四、五位ということで、それなりに上位かなと思っている。  これからどうしていくかということであるが、おっしゃるとおり県内の学生さん、県内の子が県内の大学に行ったときどうするのかといった課題はあると認識をしている。  一方で、費用対効果というとあれであるが、県内高校から県内大学へ進学する子どもというのはたくさんいらっしゃるわけで、そこに奨学金についてやろうとすると相当な財源、必要性が出てくる。それがUIターン就職にどういうふうに結びついていくのか、こういったことも考えていかなくてはいけないということもあるわけである。  今の制度は企業からの寄附金なんかも一部、財源に充てさせていただいているので、そういった裾野を広げながら、さらに学生さんのニーズ、企業の側のニーズ、こういうものを見ながら県内の学生をどうやって広げられるのか、この点についてよく考えてみたいと思う。 8 ◯清水委員  今おっしゃったように財源の問題とかもあるが、奨学金制度は、国も拡充したりしているが、何ができるかぜひ検討して、できることをやっていただきたいと思う。  今は本当に人口がどんどん減ってきているわけで、インフラ整備はすごく大事なことであるが、やはり人材育成というか、人に投資するということも非常に大事なのかなと思う。  昨日の宮本委員の話で、産業常任委員会で広島県に視察に行ったとあったが、たまたまであるが、自分も同じ日か次の日に1人で奨学金の話を聞きたいなと思って広島県に視察に行っており、いろいろ調べると、本当に広島県というのは人材育成に力を入れているなと思って、こちらの制度の話も聞いてきたのである。  広島県は今、新分野への展開や競争力評価を促進するため、イノベーションの原動力となる高度で多彩な産業人材の育成をしようとイノベーション人材育成補助金をつくっている。これは県内に本社を置く中小企業が社員を国内外の大学、企業、研修機関へ派遣する経費の一部を県が補助するというもので、長期滞在型は社員や代替社員の給与等の経費を最大400万円、長期通い型は入学金や授業料等200万円、研修型は100万円の支援をしている。  この制度を活用して、例えば、特殊印刷機のメーカーは、開発部の職員を大学院に送り、そこで博士号を取得させ、その経験や知識を生かし自社のオリジナル製品を開発したり、二代目の後継者が経営者としてもっと広いファイナンスやマーケティングを学びたいと、大学院でMBAを取得し経営に生かしたり、また、社員を大手企業に派遣し技術やノウハウを吸収して自社の技術に生かしたりしている。  これらのように時代に対応して組織の中核となる人材を育成することは重要であり、企業側ももっと社員の学びを応援しやすくする体制づくりが必要だと思う。人口減少の中で、費用の生産性を向上させるには、今まで以上に企業の人材育成、リカレント教育に力を入れるべきだと考えるが、所見を伺う。 9 ◯知  事  指摘のとおり、これだけ社会が流動的になって、日々、競争が激しくなっている状況の中で、企業において人材の育成というのはとても重要だと思っている。これは従業員だけではなくてマネジメントする経営者自身もリカレント、新しい知識も得ながら経営を革新していくことも必要なのだろうと思う。  県としては、今、中小企業産業大学校において例えば、マネジメントの研修でいろいろな課題解決の議論を繰り返すような研修も行っており、また、現場でいろいろな技術革新を起こしていくようなそういう人材を育てるという実践型の研修も行っているというところである。  ただ、いろいろな支援制度が企業のほうではなく、個人を育てるという方向に福井県の場合は進んでいるのかなと考えている。そういう意味では、こういうことをやりたい人はここに集まれと、こういう形になっているわけである。中小企業においては、さらに言えばそういった人材育成のお金もなかなかないということである。  一方で、企業にとってはいろいろな課題はそれぞれにあるので、企業ごとにいろいろな人材育成のやり方もあってもいいというふうに考えられる。そういうことが多分、広島やほかの県では取り組まれているのだろうと思う。  そういうこともあるので、これから新しく企業、人材を育てるという手法について、企業に対する支援を含めて検討していきたいと考えている。 10 ◯清水委員  ぜひ、人材育成していただきたいなと思うし、福井も二代目、三代目も多いし、JC(青年会議所)とかいろいろ入っている人もいるが、彼らがもっと成長すればもっとよくなる場合もあるので、ぜひ検討していただきたいなと思う。         「農林水産業について」 11 ◯清水委員  次は、農林水産業について伺う。  福井県は言わずと知れた米どころであり、農業産出額451億円のうち米が約6割を占めている。ただ現在、米の置かれている現状というのは米価下落とか人口減少で米離れとかが進んでいて非常に大変な状況である。  もちろん米を取り巻く状況をしっかりと解決するのは当然であるが、米以外のところでもしっかり稼げるようにしていかなければいけない。現在、県全体で米を中心とした米プラス大麦プラス大豆、ソバなどの2年3作体形が定着しているが、米はもちろんそれ以外のものも高付加価値のものにし収益性を高める必要がある。  しかし、資料3であるが、先日、発表された耕地1ヘクタール当たりの農業産出額を都道府県別に算出し、2005年から2020年にかけての増減額率を比べた収益性増減率では、福井県は44位である。  1位の群馬県では、稼ぐ農地への転換が進んでおり、消費が減る米や麦に替えて、2016年度から業務用や個食拡大で需要が増すカット野菜向けを拡大し、若い農家を中心に転作が進み、栽培面積を5年間で4倍に増やした。2位の山梨県では、単価の高いシャインマスカットを増やし、それまで栽培していたブドウを高付加価値なナシに切り替えた。  もちろん米産地は需要減が響き、そうした収益性の増加は低いが、新たなブランド米が産出額を下支えしている地域もあり、2010年につや姫の本格販売を始めた山形県は収益性改善率が4位となった。4月の総体価格は魚沼産コシヒカリに続いて2位と好調である。  一方で、いちほまれの福井県はどうなのか。収益性改善のために様々な支援をしていると思うが、結果が出ていない状況である。県は、現在の収益性の状況についてどう分析しているのか伺うとともに、しっかりと稼げる農業にしていくべきと考えるが、所見を伺う。 12 ◯農林水産部長  今回の調査については、単純に農業算出額の増減で比較しており、さらに転作の補助金等が考慮されていない。転作すればするほど米から麦に変えると産出額が落ちてしまうといった情勢になっているので、昨日、EBPMの話もあったが、収益性というのは、ちょっとこの調査はどうなのかなと思う部分もあるが、単に産出額という点で考えてみると、その中で増減率が低いとされた県については、本県も含め産出額に占める米の割合が高い米どころということになっている。  逆に群馬県や山形県の話もあったが、こういった上位の20県は産出額に占める米の割合が全体の3分の1以下となっている。  本県において、園芸が88億円から109億円まで21億円増えているが、先ほど、あった米価の低迷、価格の安い麦・大豆等への転作によって全体の増減率はマイナスとなっている。  一方、本県では担い手への農地集積・集約化による規模拡大の結果、全国5位の集積率と全国2位の圃場の基盤整備率、これは高いものがあるので、こういった単位面積当たりの労働時間や機械代を削減することにより、経営体当たりの収益を向上させてきた。  今後は、単位面積当たりの収益をさらに向上させるため、いちほまれのブランド化を進めるとともに大規模施設園芸、水田園芸の拡大、JAと連携した園芸タウンの育成等を進め、稼げる農業を実現していく。 13 ◯清水委員  別に文句を言っているわけじゃなくて応援している気持ちで言っている。もちろん本当にいろいろなことを頑張って取り組んでいることは分かってはいるので、さらに農家の所得を向上させてしっかりと稼げる農業にしていただきたいという思いで言わせていただいたので、今後も頑張っていただきたいと思う。  次に行く。  私自身、議員になりたいと思って帰ってきた1つの理由として、福井県のよいものをもっと全国の人に知ってもらいたいという思いで、だからブランド化についても一生懸命やっている。福井県の中でも福井県民が「福井には何もない」と言う人がいまだにいるが、探せばいっぱいあると思う。  例えば、ホタルイカなんかもそうである。富山県が有名だが、実は福井県のホタルイカは富山県に負けず劣らずの漁獲量を持っていて、たまに全国トップクラスの漁獲量で、富山県を抜く場合もある。  ただ、とある会社の人に話を聞くと、「うちの会社で獲れたホタルイカの8割が富山県に行く」ということで、1割が県外で1割が福井で消費されるということである。もちろん値段の高いところに商品が行くというのは仕方のないことであるが、何か福井県で獲れたホタルイカが富山で活用されているのは非常に残念だなと思うし、富山県に近いのでブランド化するのはなかなか難しいが、もう少し存在感を増すことはできないのかなと思う。  実は、漁獲高全国1位は兵庫県で、兵庫県はハマボタルとしてブランド化をしている。味も富山に負けず劣らずだと思うし、資料4であるが、これはたまたまだが先日、はま寿司の「日本のうまいネタ祭り」で福井県産のホタルイカが出されていて、私も食べたのだが非常においしくて、やはりもっと何とかできないのかなと思う。  ホタルイカは内臓に毒があるようであるが、冷凍すれば毒も消えるということで、現在、甘エビなども船上で獲れたものを瞬間冷凍してやっているので、そういった技術を活用したり本当にいろいろな方法があると思う。ぜひもう少し福井県産のホタルイカの存在感をアピールできる取組をすべきと思うが、所見を伺う。 14 ◯農林水産部長  委員、指摘のとおり県内のホタルイカについては、主に越前町の底曳網漁業で漁獲されている。漁獲量は、近年200トンから800トンで推移しており、今年は兵庫県、富山県、鳥取県に次いで全国4位の320トン、水揚げ額にして約5,000万円の水揚げとなっている。  県内では、ボイルされたホタルイカや、船上で生きたまま沖漬けにした商品、姿のまま素干しにした商品が販売されている。また、一部の漁船では、船上凍結にも取り組んでいる。  今後、新幹線開業に向けて、ホタルイカやメギス、小型のサワラであるサゴシ等、こういった価格が安いが漁獲量が多い魚種について、季節ごとに本県の旬の食材として、例えば、県内の飲食店や芦原温泉などの宿泊施設での利用促進に向けた提案を行っていきたい。 15 ◯清水委員  ぜひ何かもう少し存在感を増すようにしてもらいたなと思う。  この間も福井の片町のおいしいと言われる料亭にいってホタルイカが出てきたが、堂々とこちらは富山県産のホタルイカですと言われて、非常に残念な思いをしたので、ぜひ何か考えていただきたいと思う。  次に行く。         「朝倉氏遺跡を世界遺産に」 16 ◯清水委員  10月に朝倉氏遺跡博物館がオープンするということで、「朝倉氏遺跡は行っても何もない」と言われていたが、博物館ができることで少しは滞在時間も延びるし存在感も増すのかなと思う。  ただ、朝倉氏遺跡は非常に文化的な価値があって、特別史跡、特別名所、重要文化財の三重指定を受けているのは全部で5つあり、例えば、金閣寺とか広島の厳島神社などであるが、この5つ全てが世界遺産に登録されている。  やはり朝倉氏遺跡も世界遺産になるポテンシャルは十分、持っているわけで、以前、県も「朝倉氏遺跡を世界遺産に」と動いたと聞いているが、保存協会の話によると、土地の取得等様々な問題があり難しかったと聞いている。  ただ、知事もおっしゃるように新幹線開業、博物館オープンで100年に一度のチャンスということであるので、このタイミングで動かずしていつ動くのかというふうに強く感じる。  朝倉氏遺跡がもし世界遺産に登録されれば、日本や世界中から多くの観光客が訪れ、福井県の大きな財産になる。新幹線開業、博物館オープンのこの100年に1度のチャンスをものにするためにも、今こそ朝倉氏遺跡の世界遺産登録に向け動きを加速させるべきと考えるが、所見を伺う。 17 ◯文化スポーツ局長  世界遺産文化遺産に登録されるためには、まず、ユネスコへの推薦の前提となる暫定リストに入る必要があるが、その国内候補地については、昨年3月の国の答申において、自治体からの公募は行わず、学術的価値や他国の登録例を踏まえ、世界遺産にふさわしいものを国、世界文化遺産部会が中心となって選定するとされた。  また、研究者の方からは、一乗谷朝倉氏遺跡の世界遺産の登録については、特別史跡の9割以上を占める上城戸、下城戸、山城などの防御施設の発掘調査を進めること、一乗谷を支えた周辺商業地や生産地、京につながる街道及び三国湊に至るまでの関連遺跡の内容と分布調査を行い、日本の中世城下町の全貌を解明することに加え、さらには世界的な認知度を高めることが課題とされている。  こうしたことから、世界文化遺産登録は、現状では大変難しいと考えているが、今後、引き続き、国の動向、研究者の意見を踏まえながら、新博物館を拠点とした発掘調査、研究成果に基づく遺跡整備を継続し、国宝級文化財としての学術的価値を一層高めていきたいと考えている。 18 ◯清水委員  現状では、今は厳しいというようなことである。  ただ、今後も引き続き、価値を高めるようにやっていただきたいと思う。
            「不妊治療について」 19 ◯清水委員  次に行く。  不妊治療の話であり、昨日も斉藤委員が不妊治療の話をしていて一理あるなと思っていた。食事とかそういうのも影響しているのかなと思う。  ただ、同じものを食べていてもぽんぽん生まれる人は生まれるし、なかなか生まれない人は生まれない。何の差があるのかなと思うが、女性の場合はやはり晩婚化というのが非常に影響しているなというのがあるが、男の人も最近、不妊治療が増えてきたというので、そこは何か理由があるのかなというふうに思う。  ただ、不妊治療というのは病気とかではなく本当に普通の人も多くて、僕の知り合いでも2人子どもがいるが、3人目を作るために今、不妊治療を始めるということで、やはり年齢を重ねれば重ねるほど子どもはだんだん生みづらくなってくるので、そうした中で、今回、県が9月補正で不妊治療補助制度を拡充したのは本当にすばらしいことだと思う。  1セット50万円くらいかかるので、保険適用になっても自己負担が14万円くらいかかる。それを県が補助して、どんなにかかっても6万円で済むということはすごいことで、僕自身もやはり50万円くらい金がかかる。精子と卵子を取って受精させて、受精卵として、そこから僕の場合、胚培をさせて冷凍して保存させている。ここまでで1セットである。そこからまた取り出して、女性に注入するのに1回10万円くらいかかり、非常にお金がかかるのだが、それが6万円というのは本当にすごいことだなと思う。  ただ、不妊治療にお金をかけるべきじゃないという人も中にはいて、非常に何だかなと思うが、今、結婚したくないという人も増えているし、結婚しても子どもをつくらないという人もいて、それは個人の自由だと思うが、ただやはりそうした時代の中で、どうしても子どもが欲しいという人にはやはりお金をかけてでも頑張って子どもをつくらせてあげるべきだというふうに思う。  そうした中、県はこの事業を行うことでどんな効果を得られると思っているのか。また、この事業を行わなければどうなると思っているのか、所見を伺う。 20 ◯健康福祉部長  本県では、不妊治療による妊娠件数が出生総数の1割弱を占めるなど、不妊治療の重要性は年々増大している。他方、厚生労働省の調査によれば、経済的な理由で不妊治療を諦めたことのある人は約25%を占めた。また、今年度からの保険適用により、逆に治療費が高くなったと回答された方が約34%を占めた調査結果もあると承知している。  このように、経済的な理由から不妊治療を諦めてしまう人は多数存在するわけであり、このような人が1人でも減るよう、今回の9月補正予算案において、不妊治療の自己負担額が基本的に6万円を超えないよう助成を拡充することとした。  この結果、不妊治療に取り組む県民が増え、県内の妊娠件数は約80件増加するものと見込んでいる。経済的な負担により治療を受けることをちゅうちょしている人に本事業をしっかり認知してもらえるよう、事業の周知にも万全を期していきたい。 21 ◯清水委員  やはりこの事業をやることによって一定の効果があるということなので、やはりしっかりとやってもらいたいと思う。                 「子育て政策について」 22 ◯清水委員  僕も子どもが生まれたが、子どもが生まれることはただその家族だけの問題ではなくて、やはり子どもが生まれれば、親は子どもに対してお金を使うし、おじいちゃん、おばあちゃんも孫にはいっぱいお金を使うし、やはり経済も潤うと思う。その子どもも成長すれば3億円くらい稼いでやはりお金を落とすわけであるし、いずれ結婚して家を建てたりして、そしていずれ僕らを支えてくれる生産人口になってくれるわけで、やはり子どもが1人生まれるということは家族だけではなくていろいろな経済効果があると僕は思っている。  子ども1人生まれたらどれだけ経済効果があるのかなと調べてもなかなか出てこないが、ただ、よく山本文雄委員が「子どもが生まれたら1,000万円あげるくらいしろ」と言うが、それくらいやっても僕は全然、問題ないのかなと思う。現に国民民主党の玉木代表も、子どもに投資することによって経済を促すというコドモノミクスということを提案して、3人目が生まれたら1,000万円出すというようなことで、ただ、20年と考えても毎月4万円程度なので、実現は可能なのかなというふうに思う。  県は、子どもが生まれる経済効果やメリットがどれくらいあると認識しているのか、また、不妊治療の事業の費用対効果についてデータがあるのか、伺う。 23 ◯健康福祉部長  子どもが生まれるということに伴う経済効果、メリットには、委員が今、指摘されたとおりおじいちゃん、おばあちゃんも含めた消費の増加、それから行政活動も含めた地域の活性化、そして将来的な労働力の確保など様々な間接的な効果が期待されるものと思う。  さらに、人口減少が進むような地域では、その地域の希望にもなるというものであって、こうしたことを数字で示すというのはなかなか難しいところではあるが、仮に消費額だけで見た場合、過去に内閣府が実施した調査によると、第1子1人当たりの年間消費額は約120万円であると試算されている。その使途は、食費や保育、塾代等の教育費など、地元で消費されるものが中心であることから、その大半が福井県における経済効果に貢献するものと考えられる。  今回の不妊治療予算の拡充後の総事業費は約2.4億円となり、この事業により生まれる子どもの数は年間約450人と見込まれることから、割り返すと生まれる子ども1人当たり約54万円を支出することになる。  先ほども申し上げた消費額に限って試算した場合であっても、本事業の費用対効果は年間約2.2倍、子どもが成人するまでの18年間で約40倍の効果が得らえるというふうに思っている。 24 ◯清水委員  こういうことをもっと一般の人に分かりやすいように知ってもらいたいし、効果があるならぜひ、これからどんどんどんどん子どもに投資してもらいたいと思う。SDGsとか言っているけれども、斉藤委員じゃないが、僕も世界の覇権争いとしか見えないというか、世界は人口がどんどん増えているが、日本の場合、人口がどんどん減ってきているわけで、持続可能な社会というのであれば、やはりこれから子どもにしっかりと投資して応援してあげるべきじゃないかなと思うので、そういったことをもっと分かりやすいように県民とかに説明できるようにしてもらいたいなと思う。  そういった中で1つちょっと疑問があって、子どもの児童手当であるが、これ、10月からもらえなくなる人が出てきて、現在、子ども1人当たり3歳未満は1万5,0000円か1万円なのだが、所得が高い人は今、一律5,000円をもらっている。  ただ、10月から所得が1,200万円以上の人は一切、もらえなくなるということで、私の周りでも非常に批判の声があって、「親の所得で差別はおかしい」とか、「1,200万円もらっても厳しい」というような声とか「福井市にはもう住みたくない」という人もいる。  私も、今、人口減少で子どもを増やせ、増やせと言っているのに、これはおかしいのかなと思う。これはもちろん国の制度ではあるが、県は児童手当についてどのように認識しているのか、全ての層の子どもがたくさん欲しいと思えるように応援すべきと思うが、所見を伺う。 25 ◯健康福祉部長  指摘のとおり、児童手当制度は、次の時代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としているものであり、全ての子どもが等しく支給対象になることが望ましいと考えている。  このため、県はこれまでも児童手当の所得制限の廃止を含めた児童手当の拡充について、国にして要望をしてきた。  国においても、少子化の進展に対処するため、今後の子育て支援の実施状況等を踏まえ、児童手当の支給要件の在り方等について検討を加えて、必要な措置を講じることとなっているため、今後も引き続き、児童手当の充実について、国に積極的に働きかけていきたい。 26 ◯清水委員  お願いする。終わる。                                 ~以  上~ 27 ◯山岸委員長  以上で、清水委員の質疑を終了した。  次に、畑委員の質疑を行う。  なお、畑委員より、資料の使用について申出があり、許可したので、了承願う。  畑委員。         「長期ビジョンについて」           畑 孝幸 委員 28 ◯畑委員  自民党福井県議会の畑 孝幸である。  昨日の発表で福井県幸福度ランキング連続5回1位ということで非常にうれしいなと思っている。  そういった中で、福井は杉本知事になってから長期ビジョンを作成された。本当にこれが実現すると幸福度がもっと増すなというふうにも思っている。目指す姿というかそういったものはまだ緒についたばかりなので、目に見えてよくなったとかそういうことはなく、今までの歴史の中で土台がうまくいってきて県民が頑張ってきたし、そしてまた、行政側もいろいろと手当をしていただいたおかげだなと、そんなふうに思っている。1年ちょっと後には新幹線も福井へ来るということで、人口減少の中でやはり交流人口を増やさなければならないということが一番の大きい課題かなと思っている。  そういった中で、3つの目指す姿の1つである「飛躍する福井」を新時代スタートアッププロジェクトと位置づけて、「ふくいエンタメ計画」あるいは「次世代チャレンジ宣言」「しあわせアクション運動」の3つのプロジェクトを2020年度から2024年度の5年間の最重点化プロジェクトとして実行している。  ちょうど5年間の半分が過ぎようとしている。現時点での進捗状況、いいところ悪いところ、成果の上がっているところ、いろいろあるかと思うが、その評価をまず知事に伺う。 29 ◯知  事  今、指摘いただいた新時代スタートアッププロジェクトについては、もともとのキャッチフレーズが「とんがろう、ふくい」ということで、できるだけ目立つというか、発信力のあるそういう地域になっていこうということが大きなコンセプトであって、従来の枠にこだわらないで様々な必要と思われる新しいことに取り組んでいこうということをコンセプトにやらせていただいている。  そういう意味では、例えば、産業の面でいうと、起業スタートアップの皆さんの支援だとか、また後継者支援、さらにベンチャーピッチなどこういうようなことを積極的に取り組ませていただいている。  その結果また企業誘致も規模にこだわらないで、もうかっているような企業を誘致するというような制度に変えた。おかげさまで、創業者数や本社機能を移転したり拡充をするような企業といったところについては、目標を上回っているというような状況である。  また、移住についても、移住の支援センターをつくったり、また移住支援金の拡充をさせていただいたり、さらには先に移住している方々がそれを迎え入れてくれるとかいろいろな工夫もさせていただいている。  こういうことで「新ふくい人」と言っているが、福井へのUIターン者についても2年続けて1,000人を超えるということで過去最高をずっと継続して記録してきている。  また、チャレンジ応援ディレクターという若手を課長級に任命をしており、先日もエキセントリックカレッジというものを開いた。とっても若い人たちがやる気を持って、今までの福井にはなかったものを作ろうということで一生懸命、取組を始めており、これからも非常に期待ができると思っている。  一方で、コロナ禍ということもあって、例えば観光の誘客とか外国人の迎え入れ、こういったところは大変、苦戦をしている状況でもある。濃淡はあるが、これから新幹線もやってきてコロナも大分、収まってきている状況なので、ここで反転攻勢をかけてしっかりと新しいお客様を向か入れられるようにしていく、「もっと挑戦、もっとおもしろく」というのが今回の長期ビジョンのキャッチフレーズなので、これに向けてしっかりと取り組んでいきたいと思っている。 30 ◯畑委員  長期的視点に立てば、前へ少しずつ進んでいるかなと、そんなふうには思うが、世界情勢を眺めてみるとロシアのウクライナ侵攻があったり、あるいは中国と台湾との間でのいろいろなぎくしゃくした問題、世界的にはそういうものがあるし、今ほど、新型コロナウイルス感染症についてもお話があったが、転移をすることによって弱毒化はしていくだろうという話だが、まだ終息していない。スペイン風邪は3年で終息をしたと聞いているが、コロナもそういう程度で終わってほしいなと望むところである。  しかしながら、昔、「災害は忘れた頃にやってくる」という話があったが、この異常気象の中で豪雪あるいは洪水、土砂崩れ、こういった災害が毎年、福井県でも起こっている。こういったことをやはり防御しないと、やはりUIターンが多くなってきたのに、やっと来たのにということにならないために、少し質問させていただきたい。         「安全・安心なまちづくりについて」 31 ◯畑委員  安全安心なまちづくりについて、伺いたい。  先ほど言ったように昨年の1月豪雪あるいは7月豪雨、そしてまた今年に入っても台風被害は少なかったものの、先月も南越前町を中心に大変な被害が出た。福井市の西部地区でも大変被害が出ている。  先の一般質問においても、松崎議員からは、河川整備の重要性に関して質問をしている。その答弁は、「今後、国土強靭化5か年加速化対策を活用した河川改修や緊急しゅんせつ推進事業債を活用したしゅんせつ、伐木を一層強化し、併せて田んぼ、ダムなどの流域治水対策も進めながら、災害に強い県土の実現を目指していきたい」とのことであり、本当にそのとおりで河川整備は大変重要なことだと思っている。  これまでは河川では幅を広くするとか、あるいはしゅんせつにより深さを深くする、そして流下量断面積を増やすことによって氾濫を抑制し、川上では砂防ダムなどを設置して土砂流出を防ぐというそんなことをやってきたが、やはりいろいろな理由で工事が長くかかったり途中で中断をしていたり、あるいは市の管理と国の管理と県の管理がいろいろ分かれており連続的にうまく整備がされてないということがある。  特に、この地球温暖化の中、今まで聞くことのなかった線状降水帯という非常に特異なものが出てきたと。この線状降水帯は、長雨が続く中で豪雨を伴った雨が長く居座るというそういう状況である。保水力が低減しているところへもってきて一気に豪雨が襲うわけなので、急激に水が下流へ流れて危険氾濫水位を超えるわけである。  資料の1は、私の住んでいる大安寺の田の谷川にできた砂防ダムである。工事がまだ済んでないなと思っていたら、昨年完成したということだった。  これを見ると、右側は護岸工事がしてあるが、左側は護岸工事がしていない。隣の2の写真にある安田の砂防ダムは本当にきれいに両側とも護岸工事をしてある。  5の写真を見てほしいのだが、この間の8月4日の豪雨で護岸工事がしてなかった部分が崩れて土砂が流れて、そして下流のほうで水が氾濫をするという事象が起きた。  6の写真であるが、すかっとランド九頭竜前の道路であるが、隣に県の臨海工業用水道管理事務所がある。7の写真が排水のところをちょっと写したのだが、手前から流れてきて向こうへ川が流れるのだが、この下が暗渠になっていて、その暗渠排水がうまくいかないので道路の上に冠水をして、そして流れていくという状況にある。  それから8の写真は、本郷地区で高台にネオポリス本郷という住宅地がある。その入り口が冠水をしている。今、七瀬川の改修をずっとしているが、なかなか改修が進まなくて、毎年ここは冠水をしていて、ちょうど夕方の帰宅時に自宅へ帰れないという状況があった。  それで、安居地区と安田の砂防ダムは護岸工事をしてあるが、大安寺の田の谷川は先ほど言ったが護岸工事をしていない。それからもう一つ違うのは、下に2つ放流口がある。その上には3つある。そしてまた2つある。ところが安田のダムは1つあって、千鳥になって、そしてまた上に1つあるという。この1つが詰まっても、やはり1つからしか出てこない。  ところが、この田の谷ダムは冠水が終わってから私は歩いて見に行って後ろ側へ入ったのだが、そうすると、降ったときには上まで水が来ていたというのが残っている。そのときには多分、5つの放水口から水が下へ一気に流れたのだと思う。  結局、この砂防ダムでは本当に土砂だけしか止めない。要するに水は水量が増えていったら、だんだん増えていく構造になっている。どうしてこのような設計になったのか不思議である。建設費は大分かかったと思うけど、かかり過ぎてこれをやらなかったのか、そこはどうなのか。  まず、砂防ダムの建設費は幾らくらいかかったか伺う。 32 ◯土木部長  まず、1の写真のほうだが、これが田の谷川のところにある砂防堰堤である。こちらについては平成24年度から事業着手しており、約3.8億円かけて令和2年度に完成しているところである。  先ほど、委員のほうから2の写真との比較の話があったが、まずダムのところについては今、水抜き穴というが、これは設計上、それぞれの川の流量に応じて穴の数を決めているので、2に比べて1の川のほうがもともと流量が多いということでこういった穴の数になっているという状況になる。  それから、護岸の話があったが、一般的には2のような護岸を作ることが多い形になるが、1の田の谷川ついては、ダムを造るときに併せて護岸を造るということで、地元のほうにも説明をさせていただいたが、ここの護岸を造る箇所に地元の方が生活用水を取水しているものが数か所あり、地元のほうでその取扱いについて了解いただけなかった部分があり、現時点では護岸ができていないといった状況になっている。 33 ◯畑委員  いきさつは私は分からないが、安全・安心を担保するためにこの砂防ダムは造ったのだと思う。いくら地元がそう言おうと、それはその生活用水も含めて工事をするべきではないのか。  すかっとランド九頭竜の横の排水にしても、それから七瀬川の改修にしても、いろいろ毎年、水害が起きておりここは冠水をするといったら、これは私は直すべきだと思うが、土木部長はそういうところを見に行ってないのか。現場に立ち会わないのか。 34 ◯土木部長  七瀬川についても一昨年も被害があったので、河川の拡幅等をやらせていただいているし、私も現場のほうには視察に行かせていただいている。 35 ◯畑委員  私は、こういったことがやはり画竜点睛を欠くと思う。工事をしても一番肝心なところをうまく最後までやらない。何のための防災か分からない。  知事、どう思うか。 36 ◯知  事  申し訳ない、今、私はこのことそのものをよく存じ上げていないので、今、土木部長から答弁を申し上げたとおりの経過だったのだろうと思う。  一方で、当然、防災の効果を発揮するというのが究極の目的であるわけなので、その方向に向けて引き続き、最善の努力をしてこの地域の今後の水害を防ぐ必要はあると考える。 37 ◯畑委員  安全・安心を担保するということは、やはり国、県、市が一体となってやる仕事だと、僕は思っている。  今の田の谷川の砂防ダムについては、下流のほうが市の管理の川なのだが、これを拡幅しない限りは、また同じようにこういうふうな洪水が起きる。だからこれは市と連絡し合って、そこが氾濫をしないようにどうしたらいいかという対策を、私は講ずるべきだと思っている。やはり鳥の目、虫の目、そして魚の目というか、そういった視点が私は大事だと思うので、全体のことも考えながら、ここはやはり局所的にこれは直さないといかんなということであれば、お願いしたいなと思うが、この砂防ダムについて、このような災害を起こさないための工事を要望するが、所見を伺う。
    38 ◯土木部長  田の谷川については、今年もこういった被害が起こった状況である。  今回の大雨だが、砂防堰堤が令和2年度に完成しているので、上流から出た土砂については1メートルほど堆積をして土砂をくい止めるべきところと認識しているが、一方で、委員が指摘された護岸がまだ整備されていなかったので、ここのところから土石が流れて下流のほうに被害をもたらしたということは承知している。  この護岸については、先ほど、経緯を申し上げたが、地元の理解が第一だと思うので、地元の理解を得ながら護岸整備については検討させていただきたいと思っている。  それから砂防指定地になっているが、河川の管理自体は福井市が行う普通河川になっている。その川の洪水というか水のほうの対策については、こちらについても福井市にも話をさせていただいており、一部、狭い区間の川があるようなので、そういった区間の改修など浸水対策について福井市でも検討していると聞いているので、福井市と連携しながら対応を図っていきたいと思っている。         「コロナ後を見据えた経済対策について」 39 ◯畑委員  どうかよろしくお願いをする。  今度はコロナ後を見据えた経済対策について、伺う。  日本は長いことデフレ脱却していない。そしてまた、このところの円安で消費者物価指数も上がりながら、外国から輸入をするといったことで食料品を筆頭に大変高くなってきている。  また、エネルギー価格も円安の影響で上昇しているが、これから原材料や輸送コスト増大、食料油や食パン、輸入牛肉など幅広い品目で値上がりして、現在、生鮮食料品を除く食料が4.1%上昇したと聞いている。賃金の上昇が追いついていないため消費が減速する懸念がある。  帝国データバンクによると、全国的にはここ4か月連続で倒産件数が前年同月を上回っており、コロナ関連倒産も前年度比で2割増えているようだ。  日本政策金融金庫によると、昨年3月までに実行されたコロナ関連融資の57%は今年の3月末から返済が始まり出しているというである。  県内でも、このコロナ感染症の対応資金、3年間の全額利子補給、そしてまた据置期間が5年以内といったゼロゼロ融資が2020年3月から開始をしているが、早ければ来年3月から支払いも生じてくる。  まず、県内のコロナ関連の倒産件数の推移と最も多い業種は何なのか、お聞きする。 40 ◯産業労働部長  県内のコロナ関連の倒産件数であるが、東京商工リサーチによると、令和2年が9件、令和3年が10件、今年は8月までに9件、合計28件となっている。  業種別に見ると、一番多いのがサービス業で12件、このサービス業の12件のうち飲食・宿泊関係が9件となっている。そのほかには製造業が7件、運輸と小売業が各3件となっている。 41 ◯畑委員  コロナはそういう交流人口を縮小するので、やはりそういうふうな形かなあと思っている。これが長期化しているが、先ほど言ったように追い打ちをかけているのが原材料や原油価格の高騰と24年ぶりの円安である。  県は、6月補正予算において原材料、原油価格高騰対策として経営安定資金の創設やコロナ関連資金の条件変更に生じる追加保証料への支援を追加しているが、まさにこれからゼロゼロ融資の返済が本格化する中、長期化するコロナ禍、先の見えない円安など中小企業の資金繰り、返済が厳しくなっていくということが想像をされる。  県内の中小企業の資金繰りについて、事業者からの措置期間の延長などの条件変更の相談や金融機関の声はどうふうな現状か、伺う。 42 ◯産業労働部長  コロナ関連資金については、県内で約1万件という融資実績がある。このうち条件変更については、これまで200件程度、約2%で行われている。  7月から開始した追加保証料の支援について、現時点で10件の実施となっている。  また、金融機関の声について、物価高騰の状況下で価格転嫁ができていない事業者が多く、厳しい経営環境が続いている。県内企業の資金需要について言うと、コロナ関連資金の調達で賄えていて、新たな融資制度を求める声は特にないというところである。一方で、条件変更の相談は増加傾向にあるということで、県の支援制度の利用についても、今後、増加することが見込まれるのではないかと、そういった声を聞いている。 43 ◯畑委員  そうやって条件変更の申出があるということは現実的にあるわけである。  やはり対応しないと今まで以上に倒産が増えていく。今度、新幹線が来るから交流人口が増えるだろうと、金沢みたいになるだろうと思ったら、これは期待外れになるかもしれない。  我々は一生懸命、観光のことも発信しながらよい食べ物を提供しながら、福井へ来てくださいというお願いはしていても、来るか来ないかはお客さん次第なのであるから、やはり倒産をさせないための使い勝手のよい支援制度が必要である。  1つ例として、十分に月々の返済の資金が確保できない。そして、別の融資資金を返済に充てるという事業者の声を耳にする。こういった自転車操業を余儀なくされる企業がいて、こういう条件が長引くと廃業を考えなければならないという深刻なことが耳に聞こえてくる。今までの融資条件では使い勝手が悪いとか、これを上回る融資条件緩和策が必要だと思うが、救済策の準備があるのかどうか、今後の対策を伺う。 44 ◯産業労働部長  まず、さらなる資金繰り対策だが、国においてはこの9月8日に中小企業活性化パッケージNEXTというものを公表しており、10月1日から金融機関による伴走支援を条件とする特別保証の融資限度額を6,000万円から1億円に引き上げることとしている。  県としてもこれに併せて新型コロナウイルス感染症伴走支援資金、こちらは保証料が全額補給されるものであり、そちらの限度額を引き上げて資金繰りの円滑化を支援していきたいと考えている。  さらにその先については、現状、金融機関や商工団体からさらなる融資条件の緩和を求める意見はないものの、引き続き、よくお声を聞かせていただきながら、そうした意見が強まってくるようであれば、例えば、ゼロゼロ融資における月々の返済の負担額の軽減など追加の対策を国にも求めていきたいと考えている。 45 ◯畑委員  県内の事業者が円滑に事業を継続できるようなそういった対策をお願いして質問を終わる。                                 ~以  上~ 46 ◯山岸委員長  以上で、畑委員の質疑は終了した。  ここで換気のため休憩する。再開は午前11時15分とする。                               ~休  憩~ 47 ◯山岸委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  これより、佐藤委員の質疑を行う。  なお、佐藤委員より、資料の使用について申出があり、これを許可したので了承願う。  佐藤委員。           「知事の政治姿勢について」       佐藤 正雄 委員 48 ◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。  最初に、今日お配りした資料について、資料1というのが9月10日、11日にオール福井反原発連絡会の皆さんが美浜町のほぼ全戸に配布をして返送されたアンケートの一部、意見書欄の一部をコピーしたものである。  資料2が美浜3号機の1次冷却材ポンプの封水注入フィルターからの放射能を含む水が7トン漏れた事故についての資料であるが、「パラメータ」と書いてあるものと漏えい水の放射能量の評価、これは関西電力が県に提出した資料である。  その上の現場確認、県の職員の方が現場確認されたというのは、これは県の資料ということなので最初に申し上げておく。  それで、福島原子力発電所の事故から11年であるが、依然として全く後始末が進まない。数万人の方が避難生活ということで苦しい状況が続いている。福島事故を受けて原子力の推進と規制を分けるということもあって原子力規制委員会ができたわけだが、私の目から見ると、高浜1、2、美浜3、福井原発、特例の場合には1度に限って20年運転延長を認めるというような規則なのだが、全部、申請された3基も認めてしまうと。本当に規制の役割を果たしているのかという思いもあるが、知事はこの原子力規制委員会、10年ということで評価する点、あるいは改善を求めたい点はどういうことがあるか、尋ねる。 49 ◯安全環境部長  原子力規制委員会の評価、改善を求めたいということで、私のほうからお答えする。  東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、本県をはじめ立地地域からは国に対して、事故の知見を生かした基準をつくるよう重ねて要請を行った。こうした要請を踏まえ、原子力規制委員会は、新規制基準を作成し、厳格な審査、検査を行ってきたものと考えている。  一方で、規制委員会が、国民の理解と信頼を得るためには、審査や検査の結果等について、より積極的に分かりやすく説明を尽くすべきであると考える。  また、原子力施設の安全性向上させるためには、事業者と十分にコミュニケーションをとって実のある審査というか検査を行うということに努めていただきたいと思うし、国内外の新たな知見を集めて第三者の意見等も踏まえながら、基準の見直しなど安全規制の改善にさらに努めていく必要があると考えている。  さらに、現場の安全というのが我々としては何よりも重要であるので、現地の規制事務所の人員体制の強化を図っていただきたいということを今年度も要望しているところである。 50 ◯佐藤委員  それでは今、資料の紹介をしたが、先日、8月1日に美浜原子力発電所3号機での水漏れ事故が起こった。それで、県の原子力安全専門委員会の開催について、本会議での代表質問に答えて、知事は「この問題でも原子力安全専門委員会を開く」というような答弁があった。  しかし、これ順序が逆ではないかと思う。事故調査が終わって、もう運転再開を認めてしまっている。知事のもとにも関西電力から2度にわたって、多分、同じよう資料、8月10日に美浜発電所3号機、異常時発生連絡というのが知事宛に出されている。  それからその後、8月25日に美浜発電所3号機、異常時集結連絡というのが関西電力の事業本部から知事宛に出された。2回にわたって出されている。  だからこれが出た時点で、すべきだと思う。検討して原子力安全専門委員会を開くというのであれば、これが出された時点で県はこの内容がどうなのかということを検証すべきであって、既に運転を始めてしまった後に、原子力安全専門委員会を開いて検証するというのでは、順序が逆ではないかと。  なぜ審議の前に関電の調査報告を了解したのか。もし運転中の事故なら、さらに深刻な事態になっていたという認識は知事にはないのか。 51 ◯知  事  美浜3号機の水漏れのトラブルについては、これはもともと規制の関係、それから運転を止めるかどうか、こういったことについては原子力規制員会、規制庁の所管であるわけである。  その中で、原子力規制庁は、今回のトラブルについては施設の安全性に大きな影響がないということで、トラブルの報告案件の対象外として扱っており、現状、ちょうど今くらいに現場の検査を行って、関西電力の対応を確認している状況である。  こうした中、福井県としては、県民の安全・安心の観点から、関西電力を呼びまして事情について確認をさせていただいているところで、原因と対策、それからこういった事象が同じような状況にあるところがほかのプラントにはないかといったことの確認をさせていただいて、私どものほうから作業員に対する安全意識の徹底、それから現場力の向上などの申し入れもさせていただいた。  いうならば我々は規制庁がやっているその中で、さらに安全・安心度を高めるために作業をさせていただいているというところである。  今後、県の県原子力安全専門委員会を開催させていただき、今回の関西電力の対策、それから規制庁の対応についての確認を行っていきたいと考えている。 52 ◯佐藤委員  今回の事故というのは、原子力規制庁は安全上、大きなものではないという判断をされたということであるが、それは規制庁の判断であり、一方で県民の立場になって県がどう判断するかということがあると思うが、これ実は昨年4か月間、異常な状態のまま運転していたわけだが、この資料の2枚目のパラメータという数字を見てもらうと、今回、原子力発電所を運転して本格運転の前に準備を始めて出力の上昇が始まって、ほとんど同時にすぐに警報が発令して破断が分かったという関西電力の資料になっている。  問題は、去年4か間運転しているときは、本当に全く亀裂も何も入っていなかったのか。破損も全くゼロだったのかといったら、これは実際には分からないわけである。だから、県民からしたらもし去年の4か月間、運転している最終版に破損していたらどうなっていたかという問題があるわけである。  ですから、そういう点で考えると、今回は運転の準備のときに破損したと。しかし仮に去年の4か月間、運転している途中に破損したらどうなっていたかということは、これは県としても当然、影響は検討されたと思うが、実際に起きていれば、もっと重大な事態になっていたのではないか。 53 ◯安全環境部長  今回のトラブル、資料の紹介もあったが、関西電力は美浜3号機については原子炉起動に向けた試験の準備をしていた状況であって、この一次系統の圧力については運転の状態に近いところまでは上昇していたという状況で発生したものである。  規制庁は、先ほど申し上げたように、施設の安全に影響はないということでトラブルの報告の対象外としているところである。  また、運転中であるが、これは規制庁は2020年度から検査体制というのは変えており、運転中のパラメータだとかプラントの状況については、規制庁の検査官は日々、原子力発電所の中に立ち入って異常がないかを確認するという体制になっている。  今回のトラブルについても、日々の確認の中で規制庁が運転パラメータなどを確認しているということかと考えている。 54 ◯佐藤委員  それはそのとおりだと思う。もし昨年の4か月間の運転中にボーリングというかその部分の部品が破損していれば、同じようなことになったわけであるので、異常警告が出でいるので、そんなものパラメータを見るまでもなく分かるわけである。  私が言っているのは、そういう去年の4か月間の運転中にこういう破損をしていたら、ここに放射能の評価があるけれども、放射能の評価も厳しいものになったし、深刻なものになったのではないかという質問である。 55 ◯安全環境部長  運転の間に様々なトラブルというのは、これまで50年近くにわたり我々、経験しているところである。  今回と同じような箇所においても、過去においてはトラブルが発生したこともある。その際においても、同様に今回のように水漏れが発生したということについても、警報が鳴り、水漏れの箇所を特定して一定の範囲の中で規制庁、その当時は保安院かもしれないが、基準の範囲の中で水漏れの量が止まって、その当時の保安院も安全上、重大な事象ではないという判断をしているところである。 56 ◯佐藤委員  私が質問したのは、関西電力が出しているこの漏えい水の放射能量の評価の値が今回のように本格運転前の準備の段階に破損した場合と、運転中に破損した場合は、当然、この評価の値は変わるではないかと言っている。 57 ◯安全環境部長  軽々に推測では申し上げられないが、先ほど申し上げたのは、今回、原子炉起動の準備として一次系統の圧力も運転に近い状況まで上がっている中で起きたものということであり、その中でも漏えいの原因などを特定して漏えいを止めたということで、安全上、重大なトラブルの事象ではないというふうなことで今回、対象外となったということである。 58 ◯佐藤委員  なかなか答えにくいかもしれないが、先日も市民団体の方がそちらの職員の方と申入れして話をしているときには、原子力安全対策課職員の方は正直に、運転中に同じような事故が起きれば、放射能のこの評価は当然、高くなるということでお答えになった。  なぜそういうことを県民から隠そうとするのか。そういう科学的に基礎的なことまで隠そうとするのか。いかにも小さく見せよう小さく見せようとするのか。それが結局、原子力安全専門委員会も開かずに大した事故ではないということにしてしまい、運転再開を了解してしまうということにつながっている。やはりもう少し県民の立場で厳しく厳しく、安全の側に立ってチェックをするというのが県の仕事ではないか。 59 ◯安全環境部長  想定では申し上げられないので、県の原子力安全専門委員会についてはこれまでも様々な専門家の方から意見を伺うために、ある程度、定期的に開催しているところであり、今後、開催する専門委員会においては、これは今回の水漏れ以外でも様々なトラブルが起こっているので、ほかの案件も含めて専門家の方の意見を伺いたいと考えている。
    60 ◯佐藤委員  今回はたまたま僥倖と言うとあれであるが、運転中ではなかったということで、ある意味では深刻な環境に、放射能が放出される深刻な影響が出なかったということだと思う。だから県の原子力安全専門委員会ではその辺も含めてきちんと検証はしていただきたいと思っている。  それで、お手元に配った資料の県の資料なのだが、8月1日月曜日に18時30分から21時30分、トラブル発生日に2人の職員の方が漏えい現場の確認をされということになっている。これはどういう確認をされて、どういう内容で部長等が報告を受けているのか。 61 ◯安全環境部長  これはトラブル発生当日の夕方であるが、どういう状況にあるのかということを担当者を派遣して現場の聞き取りを行ったということで行かせたものである。 62 ◯佐藤委員  不思議なのは、県の原子力安全対策課というのは「もんじゅ」のナトリウム漏れの事故隠しのときにも現場に入って、当時の動燃がきちっと情報公開しなかったということを調べて、それをマスコミさんとかにも公表して明らかにするということで役割を果たされた課である。今回こういうことで調査に入りながら、マスコミに対してはこういう調査をしてこういう結果だったというのは、発表されないというのはなぜかということ。  併せて、市民団体の方が後日、原安課に対して申し入れした際にも県の職員が立入調査をしたということを説明されない。隠されたというのは何か理由があるのか。 63 ◯安全環境部長  8月16日であるが、関西電力から事故の原因と対策ということで、これは私のほうに報告があり、それはマスコミオープンの中でいろいろな対策を聞いている。  その後も、起動する際には県の原子力安全対策課がマスコミの方に対してプレスでいろいろ説明をしているところである。8月1日に入ったということそのものを、その日に入ったということをこれまで逐次、報告しているということではないと思う。 64 ◯佐藤委員  報告していることではないということだが、市民団体の申入れの際に、県の職員が立ち入ったのかということで質問しても、そのことを隠されたのはなぜなのか。 65 ◯安全環境部長  そのときの状況、私は十分に承知してないので、今、正確な回答ということではないと思うが、立入調査ということと現場の確認ということと、どういうふうなやり取りだったかということはちょっと承知していない。 66 ◯佐藤委員  関西電力のいろいろな事故、トラブルがある。それに対して県が県民の立場で調査に入る、これは当然だと思う。その際にやはり県としてこういう調査をしますよということは、マスコミに公表してもよい内容だと思う。ましてや市民団体から「県は調査に入ったのか」と聞かれたときに、「こうやって調査に入りました」ということをなぜ言えないのかというのが素朴な疑問である。  だからなぜこのお仕事をされているのに県民に対して説明しない。あるいは隠すとか。隠さなくてはいけないような事情があったのか。逆に県民内で不信がわくわけである。関西電力への不信とともに県の原子力行政に対する不信がわくわけである。だからそういうことのないようにこれはお願いしたい。  それで、関西電力の対応について、原発問題に取り組む住民運動への関西電力の対応というのは、要望書を原子力事業部に持っていっても社員の方ではなくて警備しているほかの会社の警備員さんに受け取らせるなど、真摯に向き合う姿勢に欠けているという批判があると聞いている。  それから、今回の美浜3号機水漏れ事故の際に、日本共産党国会議員団2人から「調査に入りたい」という要請を出しても、2週間放置し、事実上調査を意図的に妨害したとしか思えないこういう態度が関西電力にあると聞いている。  関西電力のこのような姿勢からは、11名の死傷事故を起こした美浜3号事故や森山マネー事件の反省は感じられないと、私は思う。県はこのような傲慢ともいえる関西電力の態度で国民県民の信頼を回復できると思うか。 67 ◯安全環境部長  事務的な調整などそれは様々なことがあろうかとは思うが、トラブルが起きた際には、その原因究明を最優先に行うことはもとより、県民の方の様々な不安に対して、丁寧に説明していくことは大切なことだと思う。  関西電力においては、当然、発電所の安全、安定運転を積み重ねるとともに、県民の理解、信頼が得られるよう、丁寧に対応していく必要があると思う。 68 ◯佐藤委員  部長はそうやって「丁寧に対応すべきだ」とおっしゃる。それは当然だと思うが、現実問題、市民団体さんからは非常に不信感があるわけである。1回だけというわけではなくて。だからもう少しきっちり向き合う。県庁の知事のほうを向いて丁寧に説明するだけではなくて、もっと県民・市民のそういう不安を持ってる人たちに対しても丁寧に説明する姿勢が必要ではないのか。 69 ◯安全環境部長  8月16日もそうであるが、関西電力から様々な公の報告を受けたときに、しっかりとした安全管理をするようにと、我々から申し上げているところである。  その一環として、しっかりと説明、対応していくということはこれまでも申し上げているところではあるが、今後、様々な機会にまた事業者のほうに求めていきたいと思う。 70 ◯佐藤委員  ある大臣の言葉をそのままかりると、岸田政権は「使える原発は使い倒す」という考えで、現在、1度だけ認められている40年超運転、60年運転、これを60年よりさらに延長することも検討していると報道されている。  この考え方は安全最優先とは全く逆だと思う。知事として県民安全最優先なら、この60年を超える、70年とか80年とか、そういう運転は認めないということを早く、立地の知事としては表明すべきではないか。 71 ◯安全環境部長  原子力発電所の運転期間については、古くなれば安全性が損なわれる可能性も高まるというのが一般的な認識ということのお話があり、この議会においてもほかの議員の方からも心配の声というのは出ているかと承知している。  このことについては、運転期間の延長というのはどういうふうなことを意味しているのかというふうなこともはっきりしないわけであり、それを明らかにした上で、これは原子力の安全に責任を有している国において、これは科学的・技術的な根拠をもとに、規制当局も含めて十分に議論をすべきであると考えているところである。  このことに関して、昨日、規制委員会が行われているわけであるが、山中新委員長は、「運転期間が原子炉等規制法に規定されていることとの関係で、原子力規制委員会としてもどのような対応が必要になるのか。経年劣化に関する安全規制をどのようにするのかなど、委員会全体として議論をしなければならないと考えている。したがって、利用政策における対応の方針などについて、資源エネルギー庁からしっかりと説明を聞いておく必要がある」というふうなことを規制委員会の中で発言されている。  今後、国においてしっかりと議論される必要があるというふうに考える。 72 ◯佐藤委員  国が議論するのは自由であるが、立地の県としてそんな40年以上、60年運転でも大変な議論があったのに、さらにその先、70年、80年とはとんでもないということをどうして言えないのか。 73 ◯安全環境部長  今ほど申し上げたように、運転期間の延長というのは、これは科学的・技術的な観点から安全を第一ということで議論されるということが重要であろうかと思う。  現状、その具体的な根拠というのは希薄ではないのかということで規制委員会としても国とも様々な話をしているのではないかということかと思うので、そういう状況の中で軽々に賛成、反対というようなことを申し上げるというような状況ではなかろうと考えている。 74 ◯佐藤委員  驚く答弁である。「毒を食らわば皿まで」なのか。とんでもない。福井県の原発、そんな発想で全部60年、70年、80年と運転を認めていったら、どうなるのか。  だからきちんとそれは県民の立場で、そんなずるずるずるずると運転延長は認められないということをきちっと言うべきだということは強調しておきたい。  それで、さらに関西電力は高浜3、4号機についても、40年超の運転の実質的な準備作業に入るということを公表して、県にも説明されたというのが報道されている。  これは知事にもお尋ねするが、この高浜1、2、美浜3のときに、使用済み核燃料の中間貯蔵問題で知事は、来年末ということでお約束をとった。できなければ、3基止めるんだと知事が求めたというか向こうがお約束したのだろう。そういうお約束をとったと。そういう約束がどうなるか分からないままに高浜3、4も準備すると。こういう関電の姿勢をどう思うか。 75 ◯知  事  これについては、法律にのっとって40年超運転をする場合の手続を経営的な部分からも判断しながら、これから審査を受けるということなのだろうと思う。  我々としては、そうした関西電力がこれから審査を受けて合格をしていくだろうと思うが、そういった結果を見ながら最終的な判断を行っていくと、そういうふうに考えている。 76 ◯佐藤委員  だから知事もそうやって甘くなるでしょう。審査を受けて合格するでしょうと、見通しを言ってしまう。そうなったら、次、「知事が認めない」ということはよほどのことでないとできなくなる。やはりそういう40年、60年、さらにその先ということで、本当に県民は不安に思っているわけである。  それで、資料1であるが、さっき説明したとおりのアンケートの回答であるが、これは市民団体が集めたので私たち共産党が集めたのではないので簡単に全部のコピーはお渡しできないのだが、これは避難計画等も含めて問うたアンケートである。去年も採って、二百何人分、返ってきたが、やはり美浜町内の方でも今のこの老朽原発運転延長を含めて非常に心配されている方が少なくないというふうに思う。  ですからこういう町民の声というのは町長さんについてはなかなか聞けないかもしれない。これは経済団体についてはなかなか聞けないかもしれない。知事がお会になるというそういう団体の方かからはなかなかお聞きをすることはできないかもしれないが、実は内心こういう声がいっぱいあるということは忘れないでいただきたい。  それで、毎回言っているが、一度こういう声をいろいろ集めて、そして今回もアンケートを取っているオール福井反原発連絡会などの皆さんと知事が直接、面談をして、そういう声を聞く。この美浜町の皆さんはそれぞれの立場もあるから、直接、知事に会いに来ることができない。だからこういう形でアンケートを取っている団体の方と面談をしてそういう心配の声、懸念の声を聞くということをどうしてできないのか。 77 ◯知  事  先に、先ほどの答弁の中で、私が「審査が通る」とかそういうような趣旨のことを申し上げた。これは私の言葉が足りない部分だと思う。審査については、厳重に行っていただいて、その結果に基づいて我々は判断をしていくということが、私が申し上げたかった真意である。  その上で今おっしゃった住民の声を直接に聞くということについては、原子力については幅広くて、しかも数多くのいろいろな声も聞かせていただくところである。そういう中で基本的にはまず原子力に詳しい専門の職員が様々な御意見について、まず聞かせていただく機会をつくる。こういうことを行わせていただいている。  また、県の原子力環境安全管理協議会、ここに副知事も出て、立地地域それから周辺の市町、さらには商工とか農林水産とか労働組合の関係者などのステークホルダーの方が入られている中で、様々な議論、意見があるわけであり、そういう中でお話も聞かせていただき、県としての考えも申し上げさせていただいているというところである。私も副知事時代、そこには毎回、出させていただいた。  また、昨年の高浜1号、2号、それから美浜の3号、この再稼働の際には福井市とそれから敦賀市において県民向けの説明会、これを福井県主催で行わせていただき、私も現場に行きお話も聞かせていただいているところである。  こういうようにその都度、適切な担当が丁寧にお話を聞かせいただいているというふうに考えているし、これからも丁寧にそういうふうに対応していきたいと考えている。 78 ◯佐藤委員  担当が聞くのは、これは県の行政なので当然だと思う。やはりこういう大きな政治的な話というのは知事が直接、面会して聞くように再度、これは要望しておきたいと思う。  それで、関西電力の旧経営陣が金品を渡していた高浜町の森山元助役から県の職員も100人余りが金品を受け取っていた問題で、福井地裁は県が職員らの調査の回答内容を情報公開請求に対して非開示とした決定を取り消す判断を示した。  今回、訴訟の論点について、福井県側の主張はほとんど退けられた判決となったわけである。いたずらに森山マネー事件を引きずる、こういうことになれば県民の県行政への不信も高まるのである。  県庁として、森山マネー事件を真摯に反省しているというのであれば、判決を受け入れ、調査内容については情報公開するというのは妥当だと思うが、いかがか。 79 ◯総務部長  高浜町元助役との関係については、事案の重大性を真摯に受け止め、速やかに調査委員会による調査を行い、結果を公表するとともに、職員の厳正な処分や倫理規則の制定など再発防止策を講じ、県政への信頼を取り戻す努力を行ってきた。  一方、今回の裁判については、県が調査対象者の回答内容や高浜町内の警備会社の名称を非開示とした処分についてその妥当性を争うものというふうに認識しているところである。  なお、県では、裁判において、調査対象者の回答内容は条例に基づく個人情報に該当すること等を説明させていただき、判例や学説を踏まえて適正な対応であるというふうに主張してきたところである。  判決においては、こうした県の主張に対して裁判所が判断を示していないという内容が多いと受け止めているところであり、今後の対応については、判決内容を踏まえて、現在、弁護士と協議し、検討をしているところである。 80 ◯佐藤委員  最後に、福井市に建設予定のアリーナの問題について、質問したいと思う。  民設民営のアリーナについては、具体的な建設費用や収支計画などが示されていない中で、知事の「応援する」という行政応援ありきの言葉が先行し過ぎているのではないかと思う。市議会でもいろいろな議論があったし、県議会でもいろいろな議論があった。  マスコミ報道を見ると、市議会でもいろいろな疑問、意見が出されていた。私も前回6月議会で問題提起したが、どのくらい建設費用がかかって、どのくらいランニングコストがかかってというのを含めて、そういう熟度の低い計画を無理やり進めるということに合意した知事の責任があるのではないか。 81 ◯文化スポーツ局長  アリーナ構想については、北陸新幹線の開業効果を最大限に生かすため、経済界からまちなかに求められる新たな機能として、アリーナ機能と芸術・文化活動の拠点となる機能が必要であるとのこういった提案があり、県と福井市がこれに合意し、必要な協力をしていくとしたものである。  今回、整備・運営スキームなどの基本構想とともに、経済界自らが主導して進めていくとの意気込みをお示しいただいたことは大きな一歩であり、県としても必要な応援をしていきたい。  また、今後、経済界による実施主体や施設の仕様、整備費等の検討が進められ熟度が高まっていく中で、収益の向上や建設費の軽減等が図られ適切な運営が行われるよう、県も市とともに知恵を絞り検討していきたいと考えている。 82 ◯佐藤委員  知事は、具体的に県として応援する形をどのように描いて、財政支援の枠、これは天井知らずとはいかないだろうから、大体、例えば、これくらいの枠であるとか、あるいは年間これくらいだとか、そういう財政支援の枠の設定はどのように考えているのか。  また、県と市の役割分担はどのように考えているのか尋ねる。 83 ◯文化スポーツ局長  行政による支援については、例えば、仙台市のように、固定資産税相当額を補助する事例や、八戸市のように、県民のスポーツや健康づくりを行う場所として、住民が使いやすいように行政が借り上げる事例など、様々な手法が考えられる。  現時点で、県の支援の形は決まってはいないが、今後、民設・民営でのメリットが最大限に生かせるよう、経済界において施設の詳細や資金調達計画等が明らかにされてくる中で、福井市とも十分相談しながら、八戸市や仙台市の事例を参考に県の支援の在り方を検討していきたい。 84 ◯佐藤委員  県の支援の形は具体的に決まっていないという中で、県議会に対してなかなか結論を出すような議論は難しいと思う。  ですからその辺はきちっとお金の問題も含めて支援の形を一定程度決めて、そして県議会に12月にもう一回出すということでよいか。 85 ◯文化スポーツ局長  また市、経済界ともいろいろ相談して、今回、構想についてはもうこれで今月末につくられるというものであると思っているので、この後、県の支援の形についてはまた議会等と、恐らくは予算の形ででも出させていただくことになると思うので、十分、議論をお願いしたいと思う。 86 ◯佐藤委員  終わる。                                 ~以  上~ 87 ◯山岸委員長  以上で、佐藤委員の質疑を終了した。  次に、島田委員の質疑を行う。  なお、島田委員より、資料の使用について申出があり、許可したので、了承願う。  島田委員。
        「県内水産業への支援について」           島田 欽一 委員 88 ◯島田委員  自民党福井県議会の島田欽一である。  燃料・高騰に伴う影響と支援策について、お伺いする。  7月に観光情報調査機関、じゃらんリサーチセンターが2022年の宿泊旅行調査結果を発表した。その中の都道府県魅力度ランキングの地元ならではのおいしい食べ物が多かったでは、北陸3県が1から3位を独占し、福井県が1位になった。特に、海鮮グルメが高い評価を得たとのことである。今後、北陸新幹線福井敦賀開業、中部縦貫自動車道の県内全線開通など大交流時代に向けとてもうれしいニュースである。引き続き、豊かで新鮮な水産物を安定に供給するため、県内水産業のさらなる発展、活性化に努めていく必要があると感じている。  一方で、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻などによる原油や電気代などの高騰に伴い、燃料や漁業用資材が高騰しており、県内漁業者の経営に大きな影響を与えているところである。  県は、9月補正予算において、漁業用資材高騰緊急対策事業を本定例会で提案しているが、燃油や資材高騰に伴う水産業への影響をどのように捉え、今後どのように支援していくのか、県の所管を伺う。 89 ◯農林水産部長  燃油A重油については、昨年1月から値上がりが続いており、現在は1リットル当たり、過去5年間平均の80円に対して97円で高止まりしている状況にある。  これに対して国のセーフティー制度があり、これは6月補正予算において漁業者の掛け金を支援したもので、この制度により価格上昇分が補填され、影響は緩和されていると聞いている。  一方で、氷や魚箱などの漁業用資材については、昨年に続き、この秋にも2年連続で値上がりが見込まれるという異例の事態となっている。昨年の値上がり前に比べ2割以上の上昇が見込まれ、底曳網漁の最盛期を迎える漁業者からは、操業を控えるなど不安の声を聞いている。  国には氷や魚箱の価格上昇分に対する支援策がないため、このたび9月補正予算により緊急的に補助し、影響の緩和を図ることで安定した経営を確保していく。  また、今後もこういった価格の状況をしっかり注視しながら、必要に応じて支援策を検討していきたいと考えている。 90 ◯島田委員  今、50年以上たった漁船を新造している。その最初の契約と大分、変わってきたと。15%くらい上がってきている。大変、困っているというような話も聞いているので、またよろしくお願いしたい。  それでは、定置網漁業の急潮被害について伺う。  定置網漁業については、令和2年に策定された「ふくいの水産業基本計画」によると、本県生産量の全体の約6割を占めており、本県の基幹漁業の1つである。私の地元の越前町漁協においても、底曳き網漁業と並んで主要な漁業の1つであり、アジ、サバ、ブリ、サワラなどの大衆魚を主な漁獲対象としており、県民に安定した、そして新鮮な地場産水産物を提供している。  しかし、この定置網漁業が今、急潮により危機に立たされている。本件は、産業常任委員会で畑議員や西本恵一議員が要望しているし、複数の報道機関でも報じられているところである。重なる分もあるかと思うが、私からも改めて質問させていただく。  本年6月から8月に、日本海沿岸において発生した急潮により、越前町に2か統ある定置網に甚大な被害が出ている。  急潮とは、沿岸域に生じる突発的な早い流れのことで、台風や低気圧の通過後など様々な要因で発生するものであり、沿岸域に設置されている定置網や養殖網などが被害を受けるとされている。  定置網については約1ノット、毎秒50センチ以上の流れで漁具被害が発生する可能性があるとされている。  1枚目の資料を御覧いただきたい。  これは地元漁協が県水産試験場から提供を受けた越前町小樟沿岸の潮の流れを示したものである。今年6月から8月にかけて南南東方向に1ノットを超す流れが発生していることが分かる。このように6月から8月にかけて断続的に発生した急潮により、定置網に広範囲に被害が出たものと考えられる。  定置網は全長約500メートルの巨大が構造物であり、破損した漁具の修復には多額の費用と期間を要するものである。  2枚目の資料を御覧いただきたい。  これは越前町漁協に属する米ノ定置網組合の定置網の被害状況である。  破損時期は昨年11月下旬頃や今年7月中旬頃と聞いている。網の破損、ワイヤーロープの切断、浮きの破損、網を固定する土のう、これは私も知らなかったが、土のうが2万5,000個ついているということである。あらゆる箇所で広範囲に破損が起きている。小樟の定置網も同様に被害が出ている。  これまでも急潮やしけなどにより定置網が部分的に破損したことはあったが、今回のような広範囲な破損は初めてであり、漁業が営めない状況になっている。昨今の燃料高騰などと併せて、定置網漁業者を取り巻く環境は厳しい状況にある。  県内では越前町以外でも定置網漁業を営んでいる地域がある。9月18日、本県に最接近した台風14号の影響により、福井市から高浜町に至る広い範囲で網被害が出たとも聞いている。  そこでお伺いする。県として今回の急潮被害について、県全体の状況をどう把握し、どのように認識しているのか伺う。 91 ◯農林水産部長  今回の急潮による被害については、一昨日であるが県の定置網漁業協会また県漁業協同組合連合会のほうから、県の支援などについての要望をお受けしたところである。  その中で、越前町の小樟地区、また米ノの2地区、こちらの定置網が大規模に破損し、合わせて約3億円を超える被害というふうにお聞きしている。  実際に先ほどあった2万個を超える土のうについてもずれてしまってなかなか大変なことになっているというお話もお聞きした。  また、このほか南越前町の河野地区、甲楽城地区の2地区でも定置網のロープが切れるなどの被害をお聞きしている。このほか福井市や敦賀市などの3地区では、急潮により網の引き揚げができず、被害状況の確認が行えていない。このほか、小浜市や美浜町の5地区においても、急潮により操業自体に支障が出ているということもお聞きしている。  さらに、今月19日に本県に最接近した台風14号でも定置網に被害が出ていると聞いているので、現在、被害状況について調査を進めている。 92 ◯島田委員  私ども以前は嶺南のほうは内海のため、あまり被害が出ず嶺北は外海で被害よく出るというようなことを聞いていたが、最近は嶺南、嶺北関係なく被害があるのだなというような感じを持っている。  定置網自体の破損、さらには網の破損や急潮による漁獲高の減少など様々な影響が出ている。行政としてもこうした漁業被害に対する何等かの支援が必要ではないかと考える。  国の制度も含めてこうした漁業被害に対する支援制度について、現状としてどのようなものがあるか、伺う。 93 ◯農林水産部長  定置網の導入にかかる国の支援制度として、新たな操業・生産体制への転換を図るための漁業構造改革総合対策事業、こちらが国3分の1の支援がある。また、漁船、漁具等のリース方式による導入を支援する水産業成長産業化沿岸地域創出事業、こちらは国・県・市町合わせて3分の2の支援といったものがある。  また、漁業収入が減少した漁業者に対して損失補償を行う漁獲共済、こちらは最大で直近5年間の平均所得に対し、減少分の75%の補填がある。また、設備が破損した漁業者に対して補償を行う漁業施設共済の制度がある。  さらに、自然災害により被害を受けた漁業者に対する無利子の融資制度として、水産業緊急資金無利子貸付事業がある 94 ◯島田委員  我が会派の代表質問で鈴木宏紀議員が、8月の大雨被害災害に当たり、内水面をはじめとする漁業への被害について質問し、勝山市と南越前町で計6か所、約6,400万円の被害を確認しているとの答弁であった。  もちろん災害は一概に被害額だけで語れるものではない。今回の定置網の急潮被害は数億円ともいわれており、1つの大きな災害といえるのではないか。地元の漁業関係者は急潮の向きが短時間に変わり、このために渦を巻いており、網を上げることができない。操業ができない日が多くなっており、過去に経験したことがない状況との声が聞かれている。  また、陸上における線状降水帯による大雨災害の頻発化に重ね合わせ、海の中でもそれによく似た兆候が出ているのではないかと懸念しているところもある。いずれしても国・市町・地元漁業関係者などと連携して、早期操業を再開できるよう定置網の早期復旧を急がなければならないと思う。  そこで伺う。  定置網漁業の早期普及を図るため、県として今回の被害に対し何等かの支援を検討すべきではないかと考えるが、知事の所見を伺う。 95 ◯知  事  先ほど紹介いただいたが、定置網漁業は県内の漁獲量が年間1万トンから1万2,000トンある中の7,000トンを占めるということで、約6割がこの定置網漁業ということで大変重要な漁業になっている。また、大きな定置網だと約20名の方が乗組員になって、そこで操業されるということなので、就業先としても大変重要な位置を占めていると認識をしている。  まずは、今回、台風14号での被害も含めて、被害状況が、どの程度にあるのか、原因がどんな感じであったのかということを調査をしっかりとして、お話を伺っていてもやはり単なる漁業者の努力でできるような範囲ではなくて、自然災害といえるようなこういう状況だったのではないかというようなことでもあるので、今度はそれをもとに国のほうに、先ほど、いろいろ紹介申し上げたが制度がある。こういったことの有利な制度を、手厚い制度を活用できるように申し入れていきたいというふうに思う。  また、県としても漁業者の方が今後とも安心して創業が続けられるように、そういうことを念頭に置きながら支援の方法についても検討していきたいというふうに考えている。 96 ◯島田委員  漁業者が安心して仕事ができるように、しっかりと支援をよろしくお願いする。  潮の流れは年々、激しくなっていると聞いている。今後も今回のような急潮被害が起きる可能性も考えられる。持続的に漁業を継続するためにも、あらかじめ潮の流れが速いと予想されるようなときには、網を部分的に一時的に撤去するなどの予防対応も必要ではないかと考える。  現在、国立研究開発法人 水産・研究教育機構がリアルタイム急潮予想を実施しインターネットで漁業者などに情報提供を実施しているが、中長期的な期間で予測できるようにするなどより高精度なものにすべきと考える。  国や県の試験研究機関において実施されている急潮研究のさらなる推進、拡充をすべきと考えるが、県の所見を伺う。 97 ◯農林水産部長  一昨日の要望の中でも、この二、三年でかなり急潮が厳しくなったといったお話をお聞きした。6月から8月にかけて断続的に発生した今回の急潮については、台風や低気圧の通過によるものではなく、本県沖合に形成された冷水塊により、対馬暖流が沿岸に押し寄せられたことが要因と考えている。  国の研究機構が運用するリアルタイム急潮予測システムは、台風や低気圧の通過など気象が要因となる急潮は予測できるが、それ以外の要因、今回のような冷水塊が原因となる予測はできないため、今後、高精度な予測モデルの開発を国に要望していく。  また、県においても、現在、越廼及び丹生に設置している沿岸域の流速を測る観測機器がある。この追加による予測精度の向上と観測体制の強化ができないかということについては、引き続き、検討していきたいと考えている。 98 ◯島田委員  神奈川県は結構、進んでいるというように聞いているので、またそれを参考に対応をよろしくお願いする。  先ほど、支援制度に関する答弁にもあったが、国において漁業災害補償法に基づく補償制度の中に、漁具が対象となる漁業施設共済を整備しているところであるが、共済掛金が高く、これはちょっと聞くところによると、掛け捨てで年間500万円ほどかかるような話も聞いている。また、加入条件も厳しい状況である。そういうことで大体2%くらいしか加入がされておらず、加入が進んでいないというようなことも聞いているので、やはり何か問題があるのかなと、そんなふうにも思っている。  漁業者はこうした自然災害という不確実性やリスクを抱えており、自然条件に経営を大きく左右され、しかもひとたび被害が起きると、その復旧に多額の費用がかかり、独自での経営再開が困難な場合が多い特異な産業である。  自然災害のための支援金制度の設立など漁業者に対するより手厚い支援を国に要望するなど、安心して漁業に専念できる環境を整備すべきと考えるが、県の所見を伺う。 99 ◯農林水産部長  国の共済制度として、漁獲共済と漁業施設共済があるということは先ほど、説明させていただいた。  このうち漁獲共済の全国の合計加入率は89%であるのに対し、委員、指摘のとおり漁業施設共済は2%にとどまっている。  加入率が低い要因として、定置網では、漁網やロープが消耗品という扱いとなり、2年から3年の短い耐用年数で減価償却を求められるため掛け金が高くなるというふうに考えている。また、中古品を購入した場合は加入できないと、こういった問題もあるというふうに考えている。  県では、安心して漁業に専念できるよう掛け金の1割を補助しているが、今後の自然災害の増加に備え、元々、国の共済制度の問題点というのもあるのかと考えているので、国に対して漁業施設共済への加入を促進する事業の実施や、加入要件の緩和について要望していきたい。 100 ◯島田委員  終わる。                                 ~以  上~ 101 ◯山岸委員長  以上で、島田委員の質疑を終了した。  ここで休憩する。再開は午後1時10分とする。                               ~休  憩~ 102 ◯畑副委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  これより、西本正俊委員の質疑を行う。  西本委員。      「福井県立大学かつみキャンパスについて」     西本 正俊 委員 103 ◯西本(正)委員  自民党福井県議会の西本正俊である。  最初に、福井県立大学かつみキャンパスについて、お尋ねする。  福井県立大学は、1920年、福井県農業試験場内に福井県農業技術委員養成課程が設置されたのが始まりとされている。1966年には、福井県農業短期大学校に改称をして、以来、農業・経営・看護・経済・生物資源の各部を時代と地域の要請に応える形で組織をされてきた。  1993年に小浜キャンパスが開設をされ、今日の海洋生物資源学部の基礎が築かれ、そして、2022年、かつみキャンパス開設、海洋生物資源学部先端増養殖科学科を開設され、来年10月に学びの場としてオープンをされる予定である。  水産業は獲る漁業から育てる漁業といわれて久しいわけであるが、今や養殖は世界の漁業生産量全体の50%を超えるようになっている。大企業やベンチャー企業の活発な参入、さらにはSDGsへの取組など水産増養殖を取り巻く環境が大きく様変わりしつつある。まさに時代の要請に応えるべく持続可能な水産増養殖が学べるかつみキャンパスがオープンするのである。  また、かつみキャンパスに隣接して、5G通信の基地局を持つ海洋生物資源臨海研究センター、福井県栽培漁業センター、さらに、旧水産研究・教育機構庁舎跡地にふくい水産振興センターがあり、学び欲の高い学生にはたまらない環境になっていると、私は見ている。  そこで、改めて福井県立大学の4番目のキャンパスとして、かつみキャンパスに先端増養殖科学科を新設するに至った杉本知事の思いを伺う。 104 ◯知  事  かつみキャンパス先端増養殖科学科については、今いろいろとお話をいただいたが、まさに嶺南地域は水産業が大変、盛んなわけであるがなかなかもうからない。こういうところを打破して養殖業をいろいろな形で振興しながら、もうかる産業に変えていこうというような観点から設置をさせていただいている。  そういう意味では、この嶺南の地域において、もしくは福井県全体で水産業を担う有為な人材を育成するという観点で、全国で初めてということをいわれているが、養殖に特化した学科ということで今年の4月に設置をさせていただき、31名の新入生を迎え入れたというところである。
     これからこの先端増養殖科学科においては、例えば、AIとかIoTとか、こういった先端的な技術を活用するとか、それからまた新しい試みとしては例えば、水産試験場の職員や養殖業を行っていらっしゃるような方を特任講師に招いて、そして授業を受けるということも考えており、小浜湾全体を実習する場所にしていくというようなことも考えている。  また、企業などと一緒に共同研究を行う、こういうようなことで新たな実習、実践教育を行いたいというふうに思っている。  さらにできることならば、このキャンパスもしくはその研究者たちが中心になって、外から企業を呼び込んで、そこで企業が新しい養殖の技術をつくったり、もしくは養殖場を広げていただいて投資をしていただいて、そこでみんなが集ってさらにお金を生んでいくというような仕掛けにもしていきたいと思っているところである。  指摘いただいたように来年の秋のキャンパス開設に向けて、今、一生懸命、整備を進めている。これから教育・研究それから地域貢献といった意味で大きな力が発揮できるよう地域の産業の発展のために、この大学をしっかりとつくっていきたいというふうに思う。 105 ◯西本(正)委員  今、杉本知事のほうから「もうかる水産業へ」ということで、非常に期待が大きいわけである。  先端増養殖科学科長の富永修教授であるが、「国内の増養殖産業の発展、地域産業の創出のみならず増養殖分野で国際的にリーダーシップをもって活躍する人材の育成を目指す」というふうにされている。  福井県内の男女共学校で開かれた入試説明会で、水産増養殖を希望した学生の全て男子生徒であったことに、水産増養殖というイメージにいわゆるジェンダーバイアスがかかっていることを強く教授は感じられ、「水産増養殖科学科は食料生産だけでなくゲノム科学、環境科学、地域活性学など他分野等、横断する学際的な分野である。また、世界的な人口増加や開発途上国の経済発展などを背景にして、水産物需要は拡大を続ける一方であるので、過剰な漁獲や地球規模の気候変動などによって水産資源の枯渇が国際的な問題となっていることなどから、水産増養殖はこのような社会的な課題の解決策としても重要な役割を担っている」としている。  これまでの水産増養殖のイメージを変え、新しい発想と感性を持った若者がこの分野に関心を示すきっかけをつくることも、先端増養殖科学科の役割というふうに考えておられ、富永教授は、女子学生を積極的に増やしたいという考えをお持ちである。  ところで、総務部長は、現地かつみキャンパスとか臨海センターに視察に訪れたと聞いているが、感想というか思いを伺う。 106 ◯総務部長  私自身、今年7月に小浜市堅海を訪問させていただき、かつみキャンパス新学科棟の整備状況や栽培漁業センターなど周辺の施設も含めた現場を視察させていただいた。  かつみキャンパスを県水産試験場と同一敷地内に整備することにより、隣接する水産振興センターを含めエリア一体をかつみ水産ベースと位置づけ、学術研究・産業支援・人材育成を三位一体で推進する体制を築いており、また、目の前に小浜湾があり、実習の現場に近いことなど実学体験を重視する学科のコンセプトをより充実できる最高の環境であると感じた。  学生と研究者・研究員、また企業それから地元事業者などが敷地内を行きかいながあら、新たなプロジェクトがたくさん生まれてほしいというふうに期待をしているところである。  なお、今年の新入生31名のうち4名が女性であった。かつみキャンパスでは、男女ともに快適なキャンパスライフが送れるような施設面での配慮などもしながら、環境づくりに努めていくと考えている。  また、今後とも、女子学生を意識したPR方法など広報面において工夫するなど、女性からも選ばれる魅力ある学科を目指していきたいと考えている。 107 ◯西本(正)委員  私がこれから質問させていただきたい内容を、先に少しお話をしていただいたのだが、そこをしっかりと実行していただきたい。  来年10月のオープンに向け、キャンパスの建物も含め順調に準備が進んでいると、私は認識をしているが、オープンまでに解決しておかなければならない課題が残っている。  それは、小浜市内からかつみキャンパス間の公共交通機関が充分でなく、学生が時間を気にすることなく安心して学べる環境にないということである。  現在の学生は、皆が車を所有し優雅な学生生活を過ごしているとは限らないわけである。もちろん中には保護者から車を与えられている学生もいるだろうが、大学の調査によると、自家用車所有者率は5割程度だというふうに聞いている。  自転車か歩きがあるではないかとの意見もあるかもしれないが、学生の多くが住むと考えられる居住地域からかつみキャンパスまで片道10キロあり、徒歩で1時間50分程度、自転車でも40分はかかる距離にある。気候の良いときにはたまにはという気持ちにもなるかもしれないが、民家のない区間もあり、季節によってはクマ、イノシシの出没もあり、また、冬季間では自転車とか徒歩では危険を伴う。  先ほど述べたように、先端増養殖科学科では女子学生を積極的に増やしたいとの考えもあり、徒歩や自転車での通学は現実的ではない。学生へのセキュリティー上かなりの問題があり、親御さんの心配は尽きることがないのではないかと容易に想像ができる。  もちろん小浜キャンパスも学生のため積極的に動いておられるようだが、唯一の公共交通機関で小浜市が運営する「あいあいバス」に増便を掛け合われたが、はっきりした数字なしには対応できないということであったようだ。背景には赤字路線ということもあるようである。  一方、永平寺キャンパスから芦原キャンパスには公共交通機関がないため、大学が所有する2台のシャトルバスを運行しており、学生は安心して学んでいるようである。しかも運賃は無料とのことである。かつみキャンパスで学んだ学生がとんでもないところで学生生活を送ってしまったなどという思い出をもってほしくないし、良い思い出が残って、やはり福井が第二のふるさとだというそんな思いで残っていただきたいと思っている。  そこで、学生が安全・安心に通学し、学べる環境整備をしていただきたいと願うものであるが、所見を伺う。 108 ◯総務部長  小浜キャンパスの学生の自家用車保有率は約7割であることを踏まえ、かつみキャンパスにおいても同程度の保有を前提として駐車場は整備する予定である。  一方、自家用車を保有しない学生が一定数いることは、課題であると認識している。現在、県立大学と小浜市においては、学生の通学利用に向け、時間割に対応できるようバスを増便することや小浜キャンパスを経由するような運行ルートへの見直し等コミュニティバスの運行体制について協議している状況と伺っている。  今後、協議を進める中で、利用者数の確保や採算性等の課題について調整していくとともに、さらに、大学としても独自に小浜キャンパスとかつみキャンパス間のバス運行の必要性についても検討していくということである。  県としても、交通手段はもとより生活面においても学生の利便性に支障が生じないよう、県立大学をはじめ関係機関と連携しながら、令和5年秋からの新キャンパスへの学生受入れに向け、準備を万全に進めていきたいと考えている。 109 ◯西本(正)委員  時間があまりないわけであるので、早急に検討し実現することでお願いしたい。令和6年度から数年後には院生も含めて100人以上の学生が学ぶことになるというかつみキャンパスであるので、よろしくお願いする。  古事に、「衣食足りて礼節を知る」というのがあるのは、皆さんよく御存じのとおりだと思う。着るものや食べるものが十分にあってこそ、人は礼儀や節度をわきまえるようになるということなのだが、逆に言うと、今は着る物も食べる物もたくさんあって、あり過ぎて逆に駄目だということであるが、やはり中国のこんな古事にもあるので、その辺りしっかりお願いしたい。  今回、衣食の「い」は移動の移になるが、これは後ほど、お話をしようと思ったのであるが、食べるところも一切ないのである。堅海という集落には売店もないわけであり、学生はお昼をまたぐ場合は、前日の夜あるいは朝、コンビニ等に寄ってお弁当なりパンを買って学校へ行くということになっているのである。何か大学のキャンパスとしては寂しいなあという感じがして、まさに「衣食足りて礼節を知る」であるので、しっかりと検討いただきたいと思う。  総務部長から極めて前向きな答弁をいただいたというふうに理解をした。総務部長に言っていただいたとおりである。学生がこのかつみキャンパスで、ここで学んでよかったなあと。福井は小浜は第二のふるさとだと思えるようなそういうすばらしいキャンパスをつくっていただきたい。  私もちょっと現地を確認させていただいたが、3時限目にどうもバスがうまいことはまらないようである。どうかよろしくお願いする。         「小浜大飯高浜自転車道線について」 110 ◯西本(正)委員  それでは次に、小浜大飯高浜自転車道(わかさいくる)についてお尋ねしたい。  小浜大飯高浜自転車道は、小浜市の国宝明通寺を起点として、高浜町の城山公園を終点とする全長40.3キロ、今から42年前の昭和55年に事業着手して総工費約57億円をかけて平成12年に整備が完了した自転車道である。  完成当時は、話題を呼び注目も集めたが、年を経過するとともに注目度が落ちていったように感じている。それでも時折、県民の方から、舗装の状態が悪いとか、見通しが悪いとか、あるいは崖崩れがあって危険だとか、それから樹木の伐採などいろいろ要望を私もいただき、その都度、小浜土木事務所や嶺南振興局に要望に行ったものである。  また、北海道旅行によくお出かけになられる夫婦からお話をいただき、北海道には道路案内の素敵なサインをたくさん見かけるので、国道27号や主要県道から自転車道への案内看板の要望をいただいたこともあった。  そこでお尋ねをさせていただくが、整備から40数年経過をした現在の自転車道の状況について、所管部としてどのように認識しているのか。  併せて、主要道から自転車道への案内看板の整備についても伺いたい。 111 ◯土木部長  小浜大飯高浜自転車道については、これまで定期的に除草や施設補修等を実施してきているところである。  昨年度、全体延長の約5割が若狭湾サイクリングルートの一部に設定されたので、これを受けて通常の道路維持補修予算に加え、嶺南振興プロジェクト予算等を活用し、舗装や防護柵の補修、景観向上のための樹木伐採、こういったものに予算を強化して対応しているところである。  また、看板のお話があったが、これについては今後、若狭湾サイクリングルートのロゴマークをあしらった案内看板をルート上に設置するとともに、ホームページやSNSなども含め、自転車道の効果的な案内方法や情報発信について検討していきたいと考えている。 112 ◯西本(正)委員  今、土木部長の答弁を聞くと、「わかさいくる」との連携をにらみ、もう既に動いておられるというふうに捉えさせていただいた。  所管は道路保全課になるのか、嶺南振興局になるのか、非常に動きが早くていいなと思うので、さらに取り組みいただきたいと思う。  ところで、近年、サイクリング人口の増加によるサイクリングロードが俄然、注目されている。  若狭町のパレアであった関係の講演会に知事もお見えだったが私も拝聴した。そのときに会場の入り口に自転車が置いてあったのだが、100万円するということでびっくりして、そんなものがあるのかと思った。  近いところではビワイチ、それから東京湾1周のワンイチなど日本全国にサイクリングルートが整備をされてきた。また先日、ユーロヴェロという、完成すると全長9万キロの自転車道ができるヨーロッパ全土を16の長距離ルートで結ぶ全欧自転車道路網に関するテレビ番組もあった。  国内のサイクリング人口は、総務省が実施した令和3年社会生活基本調査の推計では、サイクリング人口約920万人、それからマーケット規模は1,315億円というふうに言われている。  また、国土交通省はインバウンド効果を全国で拡大するために自転車を活用した観光地域づくりサイクル観光を推進しているところだと聞いている。これだけの経済規模とサイクル人口を見逃すわけにはいかない。  そこで、国内外のサイクリストやファミリー層を誘客する「わかさいくる」だけではなくて、県内のサイクリングロードを設置するに当たり重要なポイントはあるのか。ここはやはり差別化というか独自性というか、それが必須になってくると思う。この「わかさいくる」の情報発信に非常に熱心で、非常に一生懸命、情報発信をされている、私はフェイスブックでお友達になっていてよく拝見するわけであるが、情熱をかけておられる嶺南振興局長の所見を伺う。 113 ◯嶺南振興局長  現在、整備を進めている若狭湾サイクリングルート「わかさいくる」へ誘客するためには、道路などのハード整備、それからガイドなどのソフトの充実とともに、ルートや地域に何度も訪れたくなるような魅力があることが重要であると考えている。  先週、国内のサイクリング有識者によるモニターツアーを実施したところであるが、モニターの皆さんからは、湖畔を走る特別感や農業や漁業の営みを感じる風景、それからスピリチュアルな歴史、こういった地域ごとの個性があるのがすばらしく、ポテンシャルのある地域であるとの意見をいただいた。こうしたエリアごとの個性が「わかさいくる」の独自性ある魅力であると考えている。  今後は、この「わかさいくる」の整備を通じ、6市町、それから観光事業者・商工事業者など地域全体が一体となり、嶺南ブランドを磨き上げていきたいと思う。  また、サイクルに限らずレストランバスの運行、ストーリー性のある寺社仏閣や山城をめぐる旅行商品のなどを充実させて、観光客に選ばれる地域づくりを進めていきたいと考えている。 114 ◯西本(正)委員  今、答弁をいただいた内容はパレア若狭でお聞きした国交省の参事官もその辺についてお話されたなということを思い出しながらお聞きした。  「わかさいくる」はルートがあるが、これは枝線というか、これもありというふうに考えてよいか。 115 ◯嶺南振興局長  おっしゃるとおりで、「わかさいくる」のルートは海岸線を走る一筆書きのようなルートになっているが、そこに枝葉というかいろいろな派生ルートが発生することのほうが地域の充実につながると思っている。  鯖街道のルートやそういった市内を周遊するようなルート、こういったことも充実させていきたいと思う。 116 ◯西本(正)委員  期待しているので、ぜひとも頑張っていただきたい。また応援もさせていただくのでよろしく。私も情報発信を進めていくのでよろしくお願いする。         「若狭ヘリポートについて」 117 ◯西本(正)委員  それでは、若狭ヘリポートについて、尋ねる。  8月5日に襲った豪雨で甚大な被災をした本県であるが、道路や鉄路が寸断される中、被災者救助、あるいは被害の状況把握、支援物資を届けるなど空からの活動は期待も大きく、また大変、心強いものだったと思う。知事も、へリコプターで実際の被災状況の把握を上空カメラでされたというような話を聞いた。  毎年のように頻発する自然災害や万が一の原子力災害時にも迅速な活動が期待されるヘリコプターであるが、実は、嶺南若狭にもヘリポートが整備されていることを知っている方は少ないのかもしれない。小浜に住う私自身も若狭ヘリポートでの離発着はめったに見かけることはないわけあり、私の住んでいる家からヘリポートまで直線で数キロ、あまり音も聞こえないし見えないなという感じである。災害が少ないからと言われればそれまでのことかもしれないが、この先のことは誰も知り得ないわけである。  福井県が出している若狭ヘリポート案内書には、「21世紀へ空と陸をダイナミックにアクセスする若狭ヘリポート。若狭ヘリポートは、福井県嶺南地域における空の玄関として交流の拠点となります。さらに、へリコプターならではの機動性を生かした多目的な利用に供され、嶺南地域の活性化の一翼を担うものになります」というふうに紹介されている。  若狭ヘリポートは、平成元年、栗田幸雄知事の時代に整備が開始をされ、設置目的には昨今の高度情報化、ハイテク化の下、来るべき21世紀に向かって地域間、国際間の交流はますます盛んとなり、高速性、快適性に優れる航空交通は増加の一途をたどるものと予想される。  本県においては、四全総における全国一日交通圏の構築及び福井県長期構想における全国日帰り交通圏の実現を目指し高速交通網を整備中であり、ヘリポートもこの一環として整備するものである。  特に、若狭地方は豊かな海洋性リゾート資源、多数の文化財に恵まれ、関西・中京をはじめ全国のリゾート客に親しまれているが、高速交通網の欠如はリゾート開発の障害となり、さらにこの地方の発展を大きく妨げている。  陸の高速交通網については、福井県議会、関係市町はじめ多くの方々の長年のわたる努力の賜物として、今日、若狭地域は高速交通網が整備され、来年度には悲願である北陸新幹線小浜京都ルートの認可着工を現実のものとするべく、千載一遇の好機をつかむところまで来ている。  また、これの設置目的には若狭地方発展の契機とするとともに、物資輸送、安全パトロール、救急活動など多目的なヘリコプター活動の拠点として公共用の若狭ヘリポートを整備することであると考えている。  ヘリポートはどのような方が、どのような目的で利用しているのか。平成3年度の供用開始から今日まで31年間の利用数の推移及び令和3年度の年間着陸件数について、伺う。 118 ◯土木部長  まず若狭へリポートの利用状況について、お話をさせていただく。  過去3年間の利用状況として、全体の6割程度が電力会社による電線パトロールだとか、それから山間部における工事資材の運搬、そういったものに利用されている。  それから残りの2割については、県警ヘリ、それから防災ヘリ、ドクターヘリなどの防災関係で使用されている。  最後の2割は、個人による操縦訓練といったものに利用されていた状況になっている。  利用者数の推移であるが、若狭ヘリポートの利用者数ということで幾つか指標があるのだが、一番端的に利用件数を表していると考えられる着陸の件数で申し上げると、これも年によってかなりばらつきがある状況である。200件を超えるときもあれば300件を超えるときもあるし、100件を割るような年もあるので、全体の傾向としては、おおむね横ばい。もしくは若干、下がっているという傾向になっている。  令和3年度の着陸件数は114件という状況である。 119 ◯西本(正)委員  電力会社とか資材運搬、県警、防災、ドクターヘリ、それから2割が個人ということであるが、年間114というのが多いか少ないかという判断であるが、次の質問でやらせていただく。  時代は移り変わったとしても設置目的に対する思いは変わるものではないというふうに思う。舞鶴若狭自動車道の整備が着実に進捗し、また北陸新幹線小浜京都ルート認可着工も、来年度の認可着工を勝ち取ろうとしている今日であるが、さらなる若狭地方発展の契機とするとともに、物資輸送、安全パトロール、救急活動など多目的なヘリコプター活動の拠点として、若狭ヘリポートの活性化をぜひとも図っていただきたい。  そして、今後の利活用方法についても、民間活用も含めぜひとも検討していただきたいと考えるが、所見を伺う。 120 ◯土木部長  今後の利用である。  まず、今、お話しさせていただいたような災害などの有事に備えた訓練や電線パトロール、工事の資材の運搬といったものは引き続き、利用されるだろうと考えている。  また、さらに今後、利活用を拡大していくという観点から、まず若狭ヘリポートの利用者の方、それから関係する民間事業者の方にヒアリングをさせていただき、それだけではなくて、今、福井空港の関係で、タスクフォースで県庁内で議論をさせていただいているので、そういった中でヒアリングしている航空事業者等からも課題や意見等を聞きながら、うまく福井空港もしくは若狭ヘリポートの連携だとか、若狭ヘリポートとしての利活用についてさらに検討を進めていきたいと考えている。
    121 ◯西本(正)委員  私のところにも、積極的に活動したいという民間の方の声もあるわけであり、恐らくまだまだこれは出てくるだろうと思っている。せっかくつくってあるので、ぜひとも使っていただき、その辺りの民間活力も含めて活性化を図っていただきたいというふうに思う。  令和2年7月に策定された福井県長期ビジョンがあったが、今、思うと検討の際に、若狭ヘリポートの積極活用というのを地元議員としてなぜ発想が浮かばなかったのか非常に反省をしており、次のローリング、令和5年にローリングしてくるのかな、3年でしたか。ぜひそこでまた検討、そしてまたお願いするので、入れていただければなと思う。         「地理的表示(GI)保護制度について」 122 ◯西本(正)委員  次に、地理的表示(GI)保護制度について、伺う。  小浜市の谷田部ねぎのGI(地理的表示)保護制度が今年の8月4日に登録が取り下げられたという県民福井の新聞記事を目にした。  谷田部ねぎは、2015年6月に国へ申請をし、2016年9月に登録が決まった。全国で15例目であり、取引量の拡大や価格上昇、担い手増などの効果がうたわれていた。  また、福井県は「福井百歳やさい」と位置づけ振興を図っていただいている。  北陸農政局によれば、取り下げは過去1件あったが、形を変えて申請中であり、取り下げたままになるのはこの谷田部ねぎが全国で初めてだということである。  GI保護制度は、そもそも特定の地域で伝統的に作られる農林水産品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産権として保護する制度である。  農林水産部は、「谷田部ねぎが消えるわけでない。生産は続き、県・市も応援する」としている。また、北陸農政局は、「制度は自ら登録・推進するのが基本。農林水産省は、作り方が守られているか定期的に検査しており、致し方ない」との見方を示しており、新聞記事によると、非常に県も北陸農政局も後ろ向きである。  今回、取り上げた主な要因は、谷田部ねぎの生産組合の高齢化が進み、国に登録した法定管理の維持が困難になったとのことで、私も地元の関係者にお会いをしていろいろとお話を聞いてきた。「申請時に背伸びし、一番上手な栽培方法で登録したので、基準のハードルが高い上、生産者も高齢化で工程管理に必要な記憶が定かでないケースが出て、GI登録に必要なデータがなく、できない。また、負担ばかりが増えてメリットを享受できない。できる立場にない」といったことで、地元としても取り下げという判断に至ったということであった。  そもそも谷田部ねぎのGIが取り下げとなった原因はどこにあると考えているのか、所見を伺う。 123 ◯農林水産部長  GIについては、法律に基づく制度であり、農林水産物等の名称を守るために国は厳格な制度運用を行っている。  谷田部ねぎ生産組合については、GI認定を受けて以降6年間にわたって、法律に基づき生産から販売に至る全体の管理を続けてきたが、組合員13名の内8名が80歳以上とかなり高齢化が進み、作業の記録や国への報告手続の継続が困難となったと聞いている。  県としても、小浜市とともに国と地元との間に入りいろいろと調整してきたが、残念ながらGI取り下げとなってしまった。  組合は今後も生産を継続していくことはおっしゃっているので、谷田部ねぎはほとんどが若狭地区内で流通していることから、販売上の影響は大きくないと考えている。  県としてはまた小浜市と協力し、今後については伝統的な栽培技術の継承や機械化による省力化の推進といったことで谷田部ねぎの担い手の確保、魅力、そういった生産の効率化などについて支援を行っていきたいと思っている。 124 ◯西本(正)委員  私もいろいろ話をお聞きしてきたが、もともと谷田部ねぎにGIは合わなかったということだろうか。生産量も少ないし、もともと値段も高いしということである。登録商標に8万円かかるわけで、シールも1枚2円30銭かかかるということで、出るばかりで、GIには補助金制度もない。  お聞きすると、農家とか農業を守るのではなくて、谷田部ねぎを守る制度であると、そういうことを厳格におっしゃるわけである。そんな制度は一体、意味があるのかなと思って聞いていたのである。ふくい百歳やさいで頑張っていただいているし、小浜市も御食国で頑張っているのでGIはもういいのかなと思う。  この質問に至った経緯は、GIに取り組むものについて、しっかり事前に調べておかないと、こういうことが繰り返されるといけないということで、質問させていただいたので、そういう取組をお願いしたいと思う。担い手が増えるとか全くそんな効果はなかったと思うので、よろしくお願いする。         「原子力政策について」 125 ◯西本(正)委員  最後に、原子力政策について、お尋ねする。  先月24日に開催をされたGX実行会議において、岸田総理は政治決断が必要な項目について、年内に具体的な結論を出すよう西村経産大臣に指示をされた。  原子力については、「再稼働への関係者の総力の結集」、「安全確保を大前提とした運転期間の延長など既設原発の最大限活用」、「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設」、「再処理・廃炉・最終処分のプロセス加速化」の4つである。  このうち特に岸田総理が次世代革新炉の開発・建設の検討を指示されたことは、これまで政府が原子力の新増設・リプレースは想定していないと繰り返し示してきたが、この方針を180度転換するものであると私は考える。  新増設・リプレースの議論が必要だと求めてきた本県としては、大いに歓迎ができるものと私は考えている。  さらには、審査の長期化により遅れている再稼働、再処理や廃炉、最終処分の問題などこれまで議論が進まず積み残されてきた原子力の課題についても、政治決断によって前に進めていこうという国の姿勢は、私は評価ができるものと考えている。  安倍政権も本当に長い間、政権を担っていただいて、その時、何とか前に進むかなと思っておったが前に進まなかった。ここに来て岸田総理が決断されたことについては、非常に評価をさせていただきたい。  ただ一方で、地元としても不安はある。今回の指示事項の1つに、60年を上限としている運転期間の延長が含まれていることである。数千億円かかる新増設が簡単にできないことは私も理解をしているが、先月、美浜3号機でトラブルが相次いで運転が遅れたことを考えると、古い原子力発電所を長く使うことは本当に大丈夫なのかと心配になるのが一般的な感覚であろうと思う。  よく県民の方とお話をしたときに、40年前の車と今の新車とどちらが安心なのだろうという例え話をさせていただくわけである。  今回、国が60年を超える運転や停止した期間を運転期間に含まないようなことを検討していることについて、県はどのように認識しているのか、伺う。 126 ◯安全環境部長  原子力発電所の運転期間に関しては、今月22日の原子力小委員会において、今ほどお話があった8月のGX実行会議の内容の説明があったところである。  今ほど委員の発言があったが、運転期間については、古くなれば安全性が損なわれる可能性も高まるというのが一般的な認識であり、今後、運転期間とはどのようなことを意味しているのかということを明らかにした上で、原子力の安全に責任を有している国において、これは規制当局も含めて、安全を第一に十分に議論すべきであると考えている。  規制委員会の山中委員長も資源エネルギー庁から説明を聞くというふうな発言をされているので、しっかりと議論をいただく必要があると考えている。 127 ◯西本(正)委員  新増設・リプレースを前提とした話ではないが、そういったものほうが、やはり古い原発を動かすよりは経済効果があるし、地元としても安心感がある。いろいろやはり思いや考え方があろうかと思う。  昨年の4月、杉本知事から県議会に求められた60年を超える原子力発電所の再稼働問題について、私、当時の県会自民党の政調会長として、この問題に取り組ませていただいた。県会自民党での議論を踏まえ、美浜発電所、高浜発電所の現地視察、意見書の採択、資源エネルギー庁など関係機関との徹底した質疑、そしてそれらを踏まえて、杉本知事に最終的な質疑を行い、結論が導き出されたのである。  その結論では、我々は40年という運転期間を20年延長し60年とすることに同意をしたわけであり、60年を超える運転や停止した期間を運転期間に含まないことを一切、念頭にないということだと私は認識をしているし、当時の仲倉会長も、総括質疑でそのようなことを言っていたと記憶している。  いわゆるバックエンド対策についても、国はプロセスを加速化させることとしている。原子力発電所を使っていくためには避けて通れない課題であるが、先日、六ヶ所の再処理工場が今月末としていた完成時期が見直され、26回目の延期が発表された。  しかも、新たな完成時期はまだ決まっていない。核燃料サイクルの中核となる再処理工場の稼働時期も見通せず、再処理で発生する高レベル放射性廃棄物や廃炉で出る低レベル放射性廃棄遺物の処分先も決まっていない。  本県でも、廃炉工事で出た放射性廃棄物は敷地内にとどまったままの状態となっているものと思うが、県内の廃止措置に影響は出ていないのか、また処分場確保に向けた今後の見通しについて、伺う。 128 ◯安全環境部長  廃止措置で発生するいわゆる低レベルの放射性廃棄物について、電力事業者は、発電所内の廃棄物保管庫及び廃止措置中の建屋内に保管することとしている。  現在、廃止措置に入っている「ふげん」、敦賀1号機、美浜1・2号機、大飯1・2号機において、放射性廃棄物の保管スペースを確保しながら廃止措置が進められており、当面の廃炉工事の実施に影響はないものと考えている。  いずれにしても、先々、廃止措置を完了して更地にするためには、放射性廃棄物の処分場を確保する必要がある。これは、県内にとどまらず全国の原子力発電所共通の課題であり、事業者間の連携、これは当然、進めていくことになるが、国が関与を強めて問題解決を図っていくべきと考えている。 129 ◯西本(正)委員  まさに課題が山積しているわけであるけれども、これらはもちろん事業者だけでは解決できるものではない。国がこれまで以上に前面に立っていただき、核燃料サイクルの実現、放射性廃棄物処分に全力をしていただく必要があると考える。  こうしたバックエンド対策の取組も進めながら、新増設・リプレースにしっかり取り組むということであるが、国はこれから政治決断が必要な原子力の項目について、年末に具体的な結論を出せるよう議論を加速するとしている。  一方で、昨年10月に閣議決定された国のエネルギー基本計画では、可能な限り原子力依存度を低減するとされている。これは原子力を最大限利用するという国の方針と明らかに矛盾をしている。  さらに、新増設・リプレースを含めて検討するということであれは、なおさらすぐにでもエネルギー基本計画を見直す必要があるわけである。  こうした中、杉本知事は、国の総合資源エネルギー調査会の委員として、これまでも立地地域の立場から、原子力政策について積極的に国に提言をされている。岸田総理の指示事項についても、年末に向けて審議会で議論が進められると思うが、これはもうこれまで何度も各委員から質問があったところであるが、改めて質問する。  知事には、審議会の場で地域の思いをしっかりと伝えていただくとともに、国に対して新増設・リプレースをはじめ将来の原子力政策を明確にして、エネルギー基本計画を早急に見直すよう強く求めるべきだと考えるが、知事の所見を伺う。 130 ◯知  事  今、るる委員から指摘があったが、先月24日のGX実行会議において、岸田総理は、次世代革新炉の開発・建設など、政治決断が必要な原子力の課題について検討を加速するよう指示があったということである。  一方で、また今のエネルギー基本計画というのは昨年、決定したもののままというような状況であり、ある意味、これから先、いろいろな矛盾が出てくるような状況になりかねない状況にあるわけである。  そういうことで、今月22日の原子力小委員会では、私も出させていただいたが、そこにおいて、これからその実行会議の中で決められるような内容が国のエネルギー政策の中でどう位置づけられるのかといったことを政府は明らかにしなければいけないという趣旨のことを発言をさせていただいたところである。  いずれにしても、福井県としてはこのエネルギー基本計画の改定を待つまでもなく検討を加速していただいて、何よりも大事なことは原子力の将来像を明確にすること、そして、責任あるエネルギー政策を国が実行することであるので、これを様々な審議会だとかこういったところで提言をしたり、私のほうから国に要請をしていくことをこれからも続けていきたいと考えている。 131 ◯西本(正)委員  今の知事の言葉に尽きるということなので、引き続き、確固たる姿勢で国の責任ある対応を強く求めていただきたいと思う。  先ほど、かつみキャンパスのところでちょっと言い忘れて、これは学生が令和6年度以降、数年後には院生を含めて100人を超える学生が学ぶことになる。そうすると、自動車のないバス、公共交通機関を頼る学生がたくさん出てくると思う。その学生がやはりバスを利用するということで、「あいあいバス」というか公共交通機関のバスもたくさん人が乗るわけである。学生がたくさん乗ると、地域の人も使いやすい時間帯も含めて、そういうものになってくるのだろうと、そういった地域貢献にもつながってくるのではないかなあというふうに、この間、お話をしていたらそういうことをおっしゃる方がいた。なるほどと思った。  先ほど、お店も1軒もないし自動販売機も一切ない地域であるので、食べる物についても、例えば、バスが活性化すれば、貨客混載というのかそういったものに、十何キロも離れていた所に、弁当を持ってきてくれというのはなかなか難しい話であり、バスに乗せて、そういったものも温かいというか、地産地消の栄養豊富なすばらしい野菜や食材が詰まったお弁当を食べていただくことも可能になってくるかと思うので、重ねてであるがしっかりとやっていただけることを前提に、お願いをしたいと思う。  これで、私の質問を終わる。                                 ~以  上~ 132 ◯山岸委員長  以上で、西本正俊委員の質疑を終了した。  ここで休憩する。  再開は午後2時15分とする。                               ~休  憩~ 133 ◯山岸委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  これより、渡辺委員の質疑を行う。  なお、渡辺委員より、資料の使用について申出があり、これを許可したので了承願う。  渡辺委員。                  「県政全般について」   渡辺 大輔 委員 134 ◯渡辺委員  民主・みらいの渡辺大輔である。  ちょうど1年前の9月の予算決算特別委員会、その直前で、4日前に質疑に立つ予定だった辻元県議が9月26日にお亡くなりになった。不慮の事故で、私も大変悲しい思いをしたのだが、改めて、辻元県議の御冥福をお祈りしながら、質疑をしたいと思う。  それではまず、一般質問で北川議員が取り上げていた第7次福井県障がい福祉計画について、伺う。  この計画は、現在、策定委員会等で検討中ということであり、障がいに関しての県民理解の促進であったり、あと様々な障がいに対する支援、あるいは合理的配慮であるとか、さらには防災体制など、極めて細かな計画であるとお聞きをしている。  今年の8月下旬から9月の上旬にかけて、県内4か所でそれぞれタウンミーティングを行い、この障がい者に関する関係者の方々をお集めして、様々な意見を聞いたと、それをしっかりとまたこの計画に落とし込んでいくということをお聞きをしている。そこでまず、第7次計画が前回の第6次計画と比べて、特にどのような点に力を入れているのかお伺いする。 135 ◯健康福祉部長  第6次の障がい者福祉計画を策定してからの5年間で、障がい者差別解消法の改正であるとか、医療的ケア児支援法が制定され、頻発する災害、それから感染症への対策といったことも求められている。  また、先日開催したタウンミーティングや策定委員会などにおいては、観光地や駅周辺のバリアフリーの推進、農福連携や企業とのマッチング等の就労支援の充実、強度行動障がい等の重度障がいに関する研修の充実や受入施設の確保などについて、計画に盛り込むように意見をいただいたところである。  こうした状況を踏まえて、第7次計画ではバリアフリーの推進を含めた共生社会のさらなる推進や、就労支援の充実、医療的ケア、強度行動障がい、発達障がいなど、障がい特性に応じた支援の充実、これらの支援を支える福祉人材の確保、さらには災害や感染症対策等に特に力を入れていく必要があると考えている。 136 ◯渡辺委員  よく分かった。今おっしゃられた中で、特に、強度行動障がい児者の支援については、国のほうも来年10月くらいからは、政府の中で検討委員会を設けて進めていくというふうなこともあって、いよいよ国全体でしっかりと対策を取っていく姿勢ができたということで、この障がいを抱える家族の皆様にとっても、大変大きな前進だと私は思っている。  この問題は、先ほど触れた辻元県議が、大変熱心に取り組んでおられて、私も昨年の12月の一般質問で取り上げさせていただいた。本当にわざとではないが、この障がいによって物を壊したり、あるいは他人に暴力を振るったり、自傷行為を繰り返すということで、こういった方々を自宅で見守っている方々は、もう本当に限界が近い、何とか改善していただきたいという思いで質問させていただいた。  知事からは、2021年度9月時点で施設の入所の待機者は22名だというふうなことで、少しでもこれを早くゼロに近づけていくことが必要だと思っていると、非常に力強い答弁をいただいた。
     一方、先日の北川議員の一般質問に対して、同じような質問で健康福祉部長からは、この9月時点の段階で入所施設の待機者は5名という答弁があった。私、ちょっと驚いたが、ということは、昨年の9月に22名で、今年の9月が5名ということは、17名が入所をしたのかというふうな気がして、これ、1名の方を入れるときも相当厳しいハードルがあって、なかなか難しい、入所に関しては、そういうことだと私は認識をしているが、改めてこの1年で17名の強度行動障がい児者の方が入所をされたのか、この認識でよいのかをお伺いする。 137 ◯健康福祉部長  昨年お答え申し上げた待機者数の方22名ということだが、これは入所施設に9月1日時点での人数をお聞きしたもので、施設を見学に来た方など入所希望者数の累計であって、将来的な入所希望、あるいは複数の施設に重複して申し込まれているといった方、それから県外の方、こういった方も含まれての数字である。  今回、14日の一般質問で答弁させていただいた待機者5名ということについては、より実態を正確に把握できるように、施設の入所決定を行う市町に聞き取りした数字であって、施設に空きがあればすぐにでも入所したいと、市町に希望している実人数ということである。昨年とは調査対象が異なってしまうので、待機者数の増減ということについては申し上げられないが、真に入所を希望される方ができるだけ早く入所できるような取組を進めていきたいと考えている。 138 ◯渡辺委員  入所を一日でも早く希望する方は、いろんな施設を回って、県外まで行ってそれを希望するわけで、今、重複との答弁があり、それは考えられることなのかなと思う。基本的に所管は市町なのであるが、県も市町と連携して入所に向けている立場としては、どこにどういった方が、どういう状態でおられるのかというふうなこともしっかりと把握をお願いしたいと思う。  この強度行動障がい児者の施設の入所に当たって、私は最も大切だと、私だけではなくていろんな人が言っているが、これは受入施設側の職員の方々の専門性の向上であると言い切っていいかなと思っている。この障がいはその特性から、自分の思いが正確に伝わらないというふうなことから生じるいらいら感であったり、そういうふうなものであって、例えば資料1のように、実際にやってほしいことを具体的に分かりやすく絵で示す、あるいは本人の気持ちを十分理解した上で、適時適切に言葉かけをすると、こういうふうなことでこの障がいの方々が十分理解できた、あるいは自分の気持ちが本当に伝わっているのだという成功体験を少しずつ積み重ねていくことによって、下の表にあるように、様々な問題行動も改善されていくというふうなことも実証をされているわけで、こういったスキルを施設の職員の人たちにもしっかりと学んでいただき、それを実践していただくことによって、私はスムーズな入所が少しずつ増えていくのかなというふうに思う。  受け入れる施設職員の専門性を高めるなど、受入体制の強化について、知事の所見を伺う。 139 ◯知  事  今、委員から指摘があったように、強度行動障がい児者の皆さんにとっては、状況に応じて適切に指導したりとか、もしくは環境を与えることで多くの症状というのは改善していくというように伺っているところである。そういう意味では、言ってみれば、こういった方への専門的な支援の質の向上とか、また、受け皿の拡充、こういったことが必要だろうというふうに認識をしているところである。  現実にこういう方々を受け入れていただくためには、やはり何と言っても、知的や精神障がい、こういった方の施設の事業者の方に専門的な研修を受けていただくということが必要で、国の制度なんかも使いながら県ではこれまでも行ってきている。その上で、研修を受けた人たちに、さらにグループワークのような形で、実際の具体的な課題などについて学んでいくというようなことをフォローアップの研修で県独自でもやらせていただいているところである。  国においては、こうした強度行動障がい児者の方々への専門人材をこれから増やしていくというようなことの検討を今されているというふうにも伺っている。こうした国の検討も踏まえながら、県としては、まずは研修内容の充実とか人材の確保、それから個室化なども有効であるので、こうした施設の整備、さらには施設に対する専門チームの派遣、こういったようなことを幅広く検討して、第7次の障がい者の計画のほうに位置づけられるように検討していきたいというふうに考えている。 140 ◯渡辺委員  これまでなかなか進まなかった強度行動障がい児者の入所、あるいは症状の改善、これはやっぱり本格的に進み出したなという感じはしている。ぜひ第7次障がい者福祉計画でもって確実に、そして一日も早くスピーディーに改善されるよう期待をしている。  それでは次に、アリーナ構想について伺う。今年の4月に、福井県にプロスポーツを誕生させる議員の会のメンバーで仙台のゼビオアリーナを視察をさせていただいた。アリーナ担当者からは、本当に立派な体育館の中で、いろいろな設備の説明であるとか、あるいは運営に関する説明であるとか、それから、2020年の4月からオープンしたといわれている八戸市にできたアリーナであるフラット八戸の運営スキームについても説明をいただいた。  資料2にあるように、フラット八戸は官民連携型のスキーム図であり、八戸市が土地の無償貸与であったり、あるいは補助金を交付してあったりと、極めて分かりやすい官民が連携をしたスキーム図だなというふうに思った。  一方、下のほうの仙台市のゼビオアリーナだが、こちら側は民設民営型ということで、これも運営者であるスポーツ用品会社のゼビオ株式会社が、事業者である三菱UFJリース株式会社とマスターリース契約を結びながら年間使用料などを返済していくという、これも民設民営型としては極めて分かりやすいスキーム図だと思っている。  一方で、仮称と書いたが、福井アリーナも民設民営型だというふうなことを言われており、6月の議会では、これは例えばということでこういうふうなスキーム図を提案していただいたところである。右側のアリーナ運営会社が、左側のアリーナの所有会社というか整備会社とマスターリース契約を結びながら年間使用料みたいなのを支払っていくという、民設民営型ならではのスキーム図だなというふうにして、極めて分かりやすく理解したところである。  ところが、この9月になって我々の議会の説明に出てきた図がこの下の図であって、今度は、逆に左側が運営会社、それから右側がアリーナの整備会社、この真ん中にエリアマネジメント会社として、まちづくり福井株式会社が位置づけられている。ちょっと、おっと思ったが、八戸や仙台の運営スキームではない真ん中のエリアマネジメント会社、まちづくり福井株式会社、なぜ中間に入ってきたのかなと。そしてまた、中間に入ることでどのような効果が出るとお考えなのかをお聞きする。 141 ◯文化スポーツ局長  まちづくり福井株式会社は、福井市や福井商工会議所などの出資によって設立されたものであるが、そもそもの設立趣旨として、福井市の中心市街地全体を一つのショッピングモールとして管理運営する組織を設立するといった趣旨がある。そういった趣旨に基づいて、福井市の中心市街地におけるまちづくりやひとづくりのコーディネートとか、新たな投資を呼び起こす魅力ある商業環境づくりなど、にぎわいの創出を目的としており、まちづくりに関する幅広い事業を展開しているところである。  こういった性格のものなので、グランドデザインを推進する新たなエリアマネジメント会社としてふさわしいものであるとして、県と福井市との調整に加えて、アリーナを核として駅周辺の各種プロジェクトと連携した相互に収益性を高める、町なかを盛り上げる役割を期待されているものである。 142 ◯渡辺委員  少し分かりにくいかなと思う。なぜかというと、エリアマネジメント会社が点線枠の外に位置づけてあるのであれば、これは福井市の市街地活性化の中でアリーナを捉えていくものであるということは読み取れるが、まさにこの点線の中に入って、中心となってそのアリーナの運営の役割を担っているということが、この図からは、私も本当に素人なので、県民ももしかしたらそういうふうに思われるのではないかなと思う。  しかも、例えば右側のアリーナ整備会社とはマスターリース契約を結んでおり、一方で、左側の運営会社とはサブリースを結んでいるという、これも何かちょっと県民にとっては分かりにくい。仮にこの図の中の、例えば、サブリースの料金が、まちづくり福井株式会社の中に入ってこないというか滞った場合には、これはまちづくり福井株式会社がある程度のリスクを負うものと理解してよろしいのかお伺いする。 143 ◯文化スポーツ局長  今回、基本構想を取りまとめた経済界においては、民設民営のメリットが最大限に生かされるよう、今後、建設運営のコストを極力抑えながら収益性を高める方策を検討していくというふうに聞いている。  直接のリスクは、一義的には運営会社のことになるが、そこに参画するまちづくり福井株式会社は、駅周辺全体とアリーナとがともににぎわい栄えていくようにマネジメントして、そうしたリスクをできる限り軽減しようとするものである。  いずれにしても、リスクは当然考えていかなければならないが、今後、経済界において、アリーナの施設や運営内容、資金調達方針等について、具体化が進められていく。そうした中で、県としてもスポーツイベントやコンベンションなどの開催、誘致を応援するなど、アリーナの安定的な運営につながるような支援の在り方について、経済界や市とともに検討していきたいと考えている。 144 ◯渡辺委員  この問題は、昨日の西本恵一委員であったり、今日の佐藤委員が、しっかりと取り上げているところではあるが、今の説明を聞いても、やはりエリアマネジメント会社はアリーナの運営のみならず、市街地というちょっと広めな運営に携わるのであれば、この枠線の中にしっかりと真ん中に位置づけられるということについては、私のみならず県民も少し分かりにくいのかなというような感じがする。  さらに、このまちづくり福井株式会社は、福井市が51%出資をしているというふうなことをお聞きしており、先ほどの説明にもあったように、アリーナの運営だけではなくて福井市の市街地の活性化、にぎわいづくりのために様々な取組をしておられるというふうなことになるとお聞きしているが、この図を見る限りでは、まちづくり福井が財政面も含めてアリーナ運営に関わっているというふうなことが見て取れるので、そうなると福井市もこの運営に関わっていくのではないかなというふうな読み取りができる。当初から民設民営型と言っているが、仙台市のような民設型という分かりやすいスキーム図にはならない。どちらかというと官民連携のスキーム図に似たような感じもしてくるわけである。改めて、まちづくり福井とアリーナ運営会社との関係性をお聞きするとともに、まちづくり福井は、具体的にどのような役割を担うのか、併せてアリーナ運営の県としての関わり方を知事に伺う。 145 ◯知  事  まちづくり福井とアリーナの関係であるが、基本的には、もともとまちづくり福井は、先ほど説明したとおり、福井の町なかのにぎわいづくりを担うということで設立がされている。その上で、今回、民間から増資を図ってこれから行われるいろんなプロジェクトがあるので、これを一つ一つ主体的に動かしていく、そういうような役割を一つ果たしていく。その上で、またまちづくり全般、にぎわいづくり全体もマネジメントしていくと、立場としては、まずそういうことがあるということである。  その上で、今回のアリーナとの関りについては、おっしゃるように、基本的なスキームとしては、サブリースを受ける運営会社のところの収入をもって、言ってみればトンネル的に償還していくということになるのでそういうことだが、それが滞ったときのリスクというのは、そこにとどまるということがあるわけで、そこのところの関わりというのは行政にも残っているという形になっているということだろうと思う。  一方で、福井のようなこういう規模のところで、完全にそういったところを遮断して物事を民間だけでやっていくというのはなかなか難しい状況にはあるというふうに認識をしている。そういう意味では、民設民営、形式的には形はまちづくり福井も民設であるので、民設民営のよさ、柔軟に、特にサブリースを受けるところがしっかりと利益を考えていろんな事業を行っていく。そこのところへ民間の経済界のほうも、例えば広告を出すとか、アリーナの利用について協賛をしていくとか、もしくは自らアリーナを使っていく、こういったことについても考えを示されているので、そういった民間の力をどんどん活用させていただく。  その上で、行政としても、これは負債を負うということではなくて、県民の皆さんの健康増進とか、いろんな形の利用を進めていく。もしくはコンベンションとかいろんなイベントなどを誘致することで県民益を上げていく中で、必要な対価を払っていく。このことが結果としてアリーナにとっても運営上プラスに働くわけであるので、そういった形で行政としても役割を果たしながらやっていこうとするものである。  ただ、具体的には、まだこれから施設の計画、それから規模とか負債とか資金計画とか、こういったものも出てくるので、そういったものを見ながら県としても福井市とよく相談しながら、また経済界とも相談しながら、どういう関わり方をもっていくのか検討していきたいと考えている。 146 ◯渡辺委員  いずれにしても、やはり明確な財政的な数字であるとか、そういったことがはっきりしないと議論もなかなか煮詰まらない。これは福井市の議論を聞いていてもそうであるが、ただ、今のうちにしっかりと運営については議論しとかなければいけない大事な時期を迎えているのかなと思うのと、もう一つは、運営会社が体力のある、しっかり任せられる、そういうふうな運営会社をぜひ呼び込んでくるべきだと思う。そこら辺は、県もしっかり入っていただきながら、スムーズな、順調な、盤石な運営ができるようなスキームをぜひ講じていただきたいと思う。  それでは次に、教育行政について伺う。先日の総務教育常任委員会の中で、定年引上げの話題が出てきたときに人事課長からは、これから10年後の2032年度の教職員の人件費が2020年度に比べて児童生徒数の減少に伴う教職員の定数減を見込んで40億円減少するという答弁があった。人件費で40億円というと、かなり大きな数の感じもするが、人数にするとどのくらい減少するかというふうなところが気になるところである。2032年度における教職員の人数は現時点と比べてどのくらい減少すると見込んでおられるのかお伺いする。 147 ◯教育長  定年延長に伴って、どのくらい給与費に影響があるかということで、給与費が約40億円減少することについては、10年間で約480人程度の減少を見込んで試算している。  将来的な教職員の定数については、少子化による児童生徒数の減少や小中学校の統廃合による学校数の減少等を考慮して推計しているが、不確定な部分も大きいため、今後、毎年見直しを行っていきたいと考えている。 148 ◯渡辺委員  私も同感であり、特に教職員の定数に関してはたくさんの不確定要素があるので、一概にこの数字だけが独り歩きするということは大変危険な感じがして、今ほど教育長がおっしゃったように、毎年の状況を見ながら教職員の採用、あるいはその数もまた決定いただきたいというふうに思うが、今、特に問題になっているのが、やっぱり教員不足の問題である。  我が会派の代表質問での西畑議員からの質問に対しても教育長は、当然4月1日時点で配置されていなくてはいけない教職員が2020年度では14名、そして2021年度では12名不足をしていたというふうな答弁もあった。あと、これは何回も言われているが、やっぱり産休であったり、育休であったり、病休の代わりの先生が本当にやって来ないということで、現場が大変厳しい状況に置かれているわけである。これは県でいくら頑張っても、これはいかんともしがたい。国が定数を改善しながら正規教員を増やしていくということで本腰を入れてこれをやらなくては、この教員不足の問題は根本的には解決しない問題だろうと私は思う。  国はこれまで、きめ細かな教育活動を実現するために、児童生徒数は減少していくが、それでも教職員の定数だけは減らさない、一定の教職員数を保つ。その分だけ少人数学級であったり、あるいはチームティーチング、一つの学級の担任の先生だけではなくて、もう一人配置することによって、きめ細かな教育をするというふうなことに努めてこられたわけである。  今まさにこの教員不足が問題になる中で、ぜひこの考え方だけは継続すべきと私は考える。今後、児童生徒数の自然減があったとしても、例えば県教員、今年度専科指導教員という加配をつけていただいたが、こういった加配教員を増やすことで、教職員の総数をできるだけ維持をしていただきたい。県に対しては、強くお願いするとともに、国にも強くこのことを訴えていくべきと考えるが、所見を伺う。 149 ◯教育長  近年、全国的にも児童生徒数の自然減に伴う教職員定数の減少が見られ、本県においても例外ではない。  本県では、国に先駆けて、中学校の少人数学級編制を県独自の加配で実現している。併せて小学校高学年における教科担任制加配や通級指導加配、日本語指導加配などを国に申請し、必要な加配の確保に今後も努めていくとともに、国に対しても、きめ細かな教育活動の実現に向けて、教職員定数の改善や充実を継続して要望していく。 150 ◯渡辺委員  ぜひ、国に対して強く言っていただきたいなというふうに思う。  続けて、今度は教育現場のICT活用についてお伺いをする。千葉県の柏市立手賀西小学校というところで行われている働き方改革の取組について、この間、テレビ放映がなされていた。この学校の在校時間は、市の平均と比べて年間167時間も短い。特に教務主任と6年生担任を兼ねている先生がおられるが、非常に激務な先生だが、この先生に至っては、超勤時間は3年前と比べて606時間減ったということで、その取組が注目をされているところである。  なぜこれだけ減ったのかというふうなことを調べてみると、やはりICTの活用で効率化が進んだことが数多くあった。例えば、学校の職員がやるわけであるが、学校行事の振り返りであったり、あるいは学校評価、こんなものを今まで紙ベースでやっていたのである。あるいは保護者に向けて授業参観出るか、出ないかというふうなアンケートであったり、全て紙ベースでやっていたが、これを一切マイクロソフトフォームズのような自動集計に切り替えた。あるいはそれまで行っていた保護者への紙でのお便りを全てスクリレというアプリに変えてメール配信に切り替えたということで、劇的に労力であったり、使用する紙が削減されたというふうなことが放映をされていた。非常にいい取組だなという感じがする。  県は現在、学校教育DX推進計画(仮称)の策定作業を進めておられて、このことによって、子どもたちによりよい教育活動、あるいは教職員の業務改善、これが進むようにICTを積極的に活用するための策を講じようとして今、策定を進められているとお聞きをしている。そこで今後に向けて、教職員の業務改善に関するICTの活用策について、具体的にどのようなものを考えておられるのか伺う。 151 ◯教育長  教職員の業務改善について、今考えているICT活用としては、連絡帳やお便り、各種調査、申請の電子化とか、あるいはデジタル採点、デジタルドリルの導入等活用、そして高校入試書類の電子化や中高間でのデータ移行、また、クラウドを利用した児童生徒への課題の配付や回収、デジタル教材や授業動画の教員間の共有、そのほか教育委員会から学校への調査とか教員研修、あるいは職員会議等の各種会議、また、保護者からの欠席連絡、不登校児童生徒との面談などを全てオンラインで今後やりたいと考えている。また今後、他県の有効な取組もいろいろ調べて、学校教育DX推進計画に盛り込んで各学校で推進していきたいと考えている。 152 ◯渡辺委員  非常にいい取組をこれからされるのだなと思う。部活は今後の課題として、学校現場は学校現場内で業務改善をしろといっても、乾いた雑巾を絞り切るというくらいやり切っており、業務改善を進めるためにはデジタルはかなり大きいし、期待もできるかなというふうに思っている。  一方で、我が県議会においては、全議員にタブレットが配付をされている。使い方の講習も丁寧にやっていただいて、もし仮に分からないことがあっても、機器に堪能な議会職員であったり、あるいは業者のサポーターがすぐやって来て、うちの会派の北川委員なんかも毎日のようにやって、かなり技術が向上されたのではないかなと思い、非常にありがたいなというふうに思っている。  一方で、学校現場においてもICT支援員というのが配置をされているが、議会のような機敏な対応ができていないというふうな状況がある。また、大規模校においては、ICT機器に堪能な若い先生方が数名おられると、この方々に適時に聞けばすぐ教えていただいて、それでもって分からない先生方も分かってくる。どんどんICTを活用する雰囲気が学校全体に広がっていくという、大変いい雰囲気がある。  一方で、職員数の少ない小中学校もあり、その学校ではほとんどITに堪能な方がいない学校もある。そうなると本当に聞きたいときに聞こうと思っても誰も教えてくれないし、私も分からないということで、そんなことしているうちに時間が過ぎてしまって、結局やめたというふうな話になって、IT機器の活用の重要性は分かっていても対応がないために結局使わずじまいで、どこかそこら辺りにタブレットを積んであるだけという学校も実際にある。  これは新しい取組を進めるときには、その取組が順調に軌道に乗るまで、これは何年もかからないと思う。恐らく二、三年しっかりやっていただければ、それなりに進んでいくのかな。その軌道に乗るまでは手厚いサポート体制を取るべきだと私は思う。基本的には市町の事業なのであるが、この手薄になっている各市町のICT支援員に対して県の支援が必要であると考えるが、所見を伺う。 153 ◯教育長  各市町で交付税措置がされており、それを活用して、必要に応じてICT支援員等を配置している市町もあるが、一方で、もう既に教員が機器の扱いに慣れてきていて、そういう支援員を配置していないところもある。今どちらかというと学校に求められているのは、効果的にICTを活用して、子どもの力を引き出す授業を行う指導力の向上を図っていくことだと考えている。  県としては、ICTを効果的に活用している授業名人等の授業を公開したり、あるいは先進県でICTを使って魅力的な授業をしている先生を招くなどして研修を行っていきたいと考えている。 154 ◯渡辺委員  機器の使い方というよりも、これから効果的な授業のための使い方というふうなことに力を入れていくということであるが、また現場の状況を見ながら、ここら辺はまたお伝えしていこうかなというふうに思っている。  今、学校教育DX推進計画を作成するに当たっては、学校現場の先生方の様々なお声を聞いて、それを策定している計画の中に落とし込んでいるところであるが、学校現場の先生方というのは、教育のプロであってもDXのプロではないわけであるので、こういった面についてはDXの専門家の視点も、ぜひ取り入れていただきたい。現在、教育政策課が中心になって行っている計画の策定の中に、ぜひ部局横断的にDX推進課の専門家の方も連携した体制を取るべきと考えるが、知事の所見を伺う。 155 ◯知  事  指摘いただいたように、学校教育のDX推進計画策定をしているが、これが市町教委との定期的にいろんな会議をもっているが、こういうところへはDX推進課も入り、議論をさせていただいているところである。  また、産業支援センターのほうにDX戦略アドバイザーというのも置いているので、こういった専門家も意見交換なんかにも参加をさせていただいているというような状況であるし、また、学校のDXに詳しい大学教授とかITの事業者、こういった方々にもいろいろとお知恵をいただいたりとか、参加もいただいているというようなところである。  こうしたことで、今いろいろこれから学校教育のDXを進めていくが、大切なことは、大きく二つである。一つは、デジタル教材とか授業動画とか、一人一人の先生では、例えば難しい実験を目の前でやってあげようとしてもできないわけだが、動画を使えばそれがとても分かりやすく説明されるようなことも活用して、魅力的な授業をする、そして子どもたちの興味・関心を持たせて楽しく学ぶ状況をつくっていくということである。  もう一つは、指摘もいただいたがお便り帳とか、いろんな調査とか、例えば採点とかこういったこと、さらには研修とか会議などをオンラインでやったら早いじゃないかと、こういったことにデジタルを十分に活用して働き方改革をする。  この学びを楽しむという環境をつくることと働き方改革、この両面でDXが十分に生かせるように、これから検討を進めていきたいと考えている。 156 ◯渡辺委員  ぜひ積極的な改革をお願いしたいと思う。  新型コロナの感染症対応についてお伺いをする。この14日から発生届の簡略化など、業務負担を減らすというふうなことの取組を県はされているし、また、相談窓口を一本化して総合相談センターというものを立ち上げておられる。県民にも分かりやすい相談体制になったかなと思うが、改めて、14日以降の発生届の簡略化、あるいは総合相談センターの一本化で、保健所が具体的にどのくらい軽減されたのかを伺う。 157 ◯健康医療政策監  保健所においては、発生届の限定化前、全ての感染者の症状、あるいは基礎疾患などを確認して、電話やショートメール等で連絡を取っていた。それが14日以降は、発生届の対象者が65歳以上など重症化リスクのある方に限られることになり、健康状態の確認や施設でのクラスター対応というところに集中することができるようになった。また、医療機関への受診の案内、あるいは療養期間などの相談については、総合相談センターにおいて応じている。  こうした取組とともに、新規感染者数の減少ということもあり、県の保健所では他部局からの応援職員を約2割減らす、このほかに1人当たりの超過勤務も約2割減少するということで、保健所の業務軽減につながっているという状況である。 158 ◯渡辺委員  感染数は落ち着いているということであるが、再度、冬のインフルエンザの時期になると、またもしかすると1,000人とか2,000人も予測できるので、そういった意味で質問させていただきたいが、この夏、高齢者施設を中心とした大変なクラスターが発生して、医療現場はかなり逼迫した。そういう状況を改善するために、今までの医療機関への入院体制に加えて、今度は医療機関が施設、あるいは個人宅に往診するという体制を整えていくということをお聞きした。  知事は、現在32の医療機関に参加をいただいてこの往診チームを準備しているというふうなことに加えて、有志の医師、看護師のチームを組んで個人宅の往診に回る仕組みを準備しているというふうなことだったが、32の医療機関の新チームを整備しているところに、さらにさっきの有志のやつをKISA2隊と呼ぶそうだが、KISA2隊を新たに導入しようとしているこの意味がよく分かりにくいが、このKISA2隊の導入の必要性について伺う。 159 ◯健康医療政策監  まず現状、32の医療機関による往診体制を整えている。ただし、継続的に患者の方をフォローするような必要がある場合、こうしたときには32の医療機関のみでは処置を続けたり、あるいは看護を続けていくということが通常診療とともにやることになるので難しいという状況が生じる。また次の波が来て、感染者数が増える、そうしたことにも対応できるようにする必要がある。こうしたことで、重層的にカバーできる体制を整える必要があると考えている。  このために、まずは往診ニーズの多い福井市において、有志の医師、そして訪問看護師と一緒に関西のKISA2隊と連携して、その助言あるいはサポートを受けてチームを構成することとした。実際に17日には、患者宅に往診に伺い、その往診に行く前に患者情報を得ること、あるいは治療の手順、そうしたものを確認したところである。今後も往診対応の実績を積み上げて県の医師会とも協力して、県内の他の地域にも参加者を広げていきたいと考えている。 160 ◯渡辺委員  このKISA2隊であるが、以前、都会を中心に医療現場が逼迫して、自宅で亡くなったケースが大変多くあったという例を受け、京都とか大阪を中心に有志の方が手を挙げて、そして編成をした。これがだんだん今、全国に広がっているということである。自宅療養で救える命は必ず救うという熱い思いをもって、結成されたというふうに聞いているが、一方で、往診している間に自分の診療所やクリニックを閉めなくちゃいけない、あるいは仮に行って感染したら一定期間休まなくちゃいけない、こういうリスクも負っているわけで、なかなか手を挙げにくい制度というふうにもお聞きをしている。  この医師や看護師のリスクできるだけ軽減するために、そして、この自宅往診に名乗りを上げやすいように有志の医師や看護師に対する行政支援すべきだと思うが、知事の所見を伺う。 161 ◯知  事  指摘のとおり、このKISA2隊に参加して医師が出ていくということは、まず一つは、とても大切で、例えば施設でも嘱託医はすぐに対応できないような状況もあるし、個人宅であれば、かかりつけ医がすぐ行けないということがあるわけで、そういうところをどうやってセーフティーネットで救うかということで、今32の医療機関にお願いしているが、医療機関には医療機関の事情もあるし、なおかつコロナであればいつも何事も大きな医療機関にお願いするとかいうことになったのではうまく回らないということで、裾野をできるだけ広げるということもあって、こうしたKISA2隊のようなものも編成しながら進めさせていただく。  一方で、一刻も早く自宅などに行って投薬とか治療をしていただく必要があるが、今言っていただいたような感染のリスクもあったりとか、自分の病院なり診療所を空けなければいけない、こういうようなことのほかに、いろいろと患者さんに合わせて防護服を脱いだり着たり、それから消毒の関係で時間もかかるというようなことで、やはり支援が必要だというところが出てくる。  そういうことで県としては、今回こうしたKISA2隊のようなものに参加していただける医師、看護師、訪問看護、こういったところに対して、医師であれば1時間1万5,000円とか、看護師であれば1時間8,000円とか、こういった支援を行わせていただくことで、できるだけ裾野を広げていく、こういった努力も続けていきたいと考えているところである。 162 ◯渡辺委員  県内の医師会を中心として医師、看護師は大変熱意のある方たくさんおられるので、そういった方々への支援もぜひお願いしたいと思う。  それでは最後に、儲かるふくい型農業総合支援事業、これは一般質問で野田議員も取り上げておられたが、この園芸産地の拡大であったり、ドローンを使ってスマート農業を行っている農業者の紹介があった。  必要な人手も監視役をオペレーター2人だけでいいであるとか、かかる時間も人のみと比べて5分の1程度に抑えられるであるとか、あるいはドローン自身が追肥料を自動に調整することによって、肥料の使用も3割に抑えられたというふうな実証もデータとして残っているわけである。
     ただ、この儲かるふくい型農業総合支援事業で、ドローンの購入費用の支援をお願いしようとしても、はっきり言って、駄目だというふうなことを言われた農業事業者がおられて、なぜかというと補助対象のハードルが非常に高いのである。例えば、ドローンのほかに自動操縦ができるような田植え機だとか耕運機を買わなくちゃいけないであるだとか、野菜作りも1ヘクタール以上やらなくちゃいけないなど、非常に高いハードルだとお聞きをしている。  この紹介された農業事業者は、30ヘクタールを持っているが、40ヘクタール以上なくちゃいけないという補助要件もあって、これが満たしていないであるとか、仮にそういうふうな機器を貸し出しても、3年間でそれよりもさらに20ヘクタール増やさなきゃいけないという補助要件もあったりして、ここは中山間地を抱えている事業者であるので、3年間で20ヘクタールも増やすことは不可能である。  ただ、このドローンを使用して農業の効率化あるいは最先端のスマート農業を実践しているというふうな農業事業者は、これから農業を目指そうとしている若手にとっては、非常に希望の星となる、そういうふうな農業事業者である。仮に、行政支援がないことによって、志半ばで諦めた場合には、それを見ている、例えば今からドローンを使って農業を頑張ろうとしている高校生たちにも、やっぱり無理なんやなと思わせてしまうことにもなりかねない。  この儲かる農業を目指し、ドローンを活用している農業者に対して、補助要件の緩和であったり、あるいは新しい制度を創設するなど、より活用しやすい支援事業を求めるが、所見を伺う。 163 ◯農林水産部長  今指摘のあったこの事業については、経営規模をどんどん伸ばしていくような農業法人を育成しようと、そういった目的から、比較的高い要件を設定している。県としては、農業関係でもいろんな補助要件を持っているが、それぞれの県の施策の目的に沿った補助要件を設定しており、農業者には各自が設定する目標に適した補助事業を選択して活用していただくことが望ましいと考えている。例えば、中山間地域の農業者については中山間総合対策支援事業、収益性の向上を目指す農業者については農地利用効率化等支援交付金と、こういったものがあり、これによってドローンを購入することができる。  今回お聞きした話だとこの農業者の方は中山間地の方なので、確かに経営規模の拡大は難しいと思うが、中山間地域の先ほど申し上げた総合対策支援事業だと、補助率については今年度から3分の1から2分の1に引き上げている。したがって、儲かる福井型農業総合支援事業のパターンよりもより高い支援になるので、そういったことも考えながら、県としては、今後とも市町と連携して現場の農業者の方に対して、目的や要件に合った事業内容の周知に努め、ドローン購入に対する支援は、引き続き行っていきたいと考えている。 164 ◯渡辺委員  終わる。                                 ~以  上~ 165 ◯山岸委員長  以上で、渡辺委員の質疑は終了した。  次に、仲倉委員の質疑を行う。  仲倉委員。         「県政全般について」            仲倉 典克 委員 166 ◯仲倉委員  自民党福井県議会の仲倉典克である。質問に入る前に、このたびの大雨災害、知事並びに理事者各位、県庁職員、そしてまた各市町、そしてまた職員の皆様方、あるいは県議会の皆さんや本当にたくさんの方にお世話になった。そしてまた、自衛隊や警察、消防、海上保安庁、それぞれの皆様方にも本当に迅速に対応していただいた。町民を代表して心からお礼を申し上げる。誠にありがとう。  今回このような大きな災害が、まさか我が町に襲ってくるということは想像もしなかったわけであるが、事実は事実として起こったことであるので、今後、復旧に向けてどれだけの年月がかかるか分からないが、地元の県会議員として、しっかりと役割を果たしていかなければいけないと思いを強くしているところであるので、また皆様方にもさらなる支援と指導を賜ることを、よろしくお願いを申し上げたいと思っている。  そんな中で、今回、災害が起こって危惧をしていることが一つあった。それは、町民がこの町を離れていくのではないかということを一番私は危惧しているところである。現に、もう既に町外へ住まいを移された方もたくさんいらっしゃるわけで、そういった現象が、今後さらに続くというのであれば、もう町自体がもたない、そんな現状が起こり得るやもしれない。この事態をしっかりと食い止めるために、我々は何をしなきゃいけないのか、そしてまた何ができるのか、そういうことを真剣に考えながら、そしてできることを一つ一つ丁寧にやっていかなきゃいけないという、そういう思いを持って、今回の災害に対して対応させていただきたいと思っている。  今回特に被害が多かったところ、鹿蒜地区というところがある。その鹿蒜地区のところには鹿蒜川という川が流れている。この鹿蒜川の改修については、常任委員会でもいろいろ議論がなされたということで、これからの復旧の事業をやっていくということを地元の方に説明なり報告をさせていただくのか、そういう時期の問題はあるのであるが、一通りそういったことを地元の集落にもお伝えさせていただいているが、実は、もう一つ大きい川がある。河野川である。鹿蒜川はどちらかというと流域人口が比較的河野川と比べて多いということで、そちらのほうの河川の現状なんかが特にクローズアップされたところがあるが、河野川も同様に決壊をして、しかも大きな被害をもたらした川であるが、この河野川の改修というもの、私も丹南土木事務所とは毎日、毎日やりとりをしているからいろんな話を聞いているが、対外的なところの発表というものがあまり河野川には聞こえてこないものだから、この機会であるので、河野川の復旧をどのように事業化していくのか、どういったタイムスケジュールで進めていくのか、その辺りも含めて報告をいただきたいと思う。 167 ◯土木部長  まず、河野川流域においては、河川護岸が24か所被災をしている。また、特に赤萩地区については床上浸水11戸、床下浸水3戸、並びに町道の冠水などの被害が発生している状況である。  今回の災害を受けて県としては、まず、河川護岸の復旧は当然やらせていただこうと思っているが、これに加えて赤萩地区において、地元住民の方々のこれから理解を得る必要があるが、そういった理解を得ながら、まだ一部未整備になっているコンクリートの堤防のところの整備を行うこととか、また、今回の大雨で流木が橋梁の部分に引っかかって災害が発生したので、この橋梁部分の付近で河床の掘削を行うなどしていきたいと考えている。  こうした取組を行うことで、今回の大雨に対し、今回と同様な大雨が発生した場合においても、家屋浸水といった被害を防ぐような対策を取っていきたいと考えており、具体的な今後の事業費については、9月補正で予算計上させていただいているところであるが、議会の理解も得ながら、できれば来年度の出水期までには完成を目指して地域住民の安全・安心、こういったことに取り組んでいきたいと考えている。 168 ◯仲倉委員  基本的にはこういう災害が起こると原形復旧という一つの事業化の目安というのがあるが、原形復旧であれば、同じようなものが来たら、やっぱり同じようにやられるわけであるから、やはりどこが悪かったのかというところをもう少ししっかりと精査した上で、やっぱり改良系というものをどんどん入れていきながら、復旧と改良を一つのパッケージで事業を進めていただきたいと思っている。  その中で、私も今回いろいろなやり取りをしていく上で、地元負担、激甚災害を受ける予定になっているが、どちらかというと農林系は割とそういった事業費のかさ上げというものがあったりするが、土木系の今回の事業には、なかなか農林系ほどの補助率というものが上がってこないというようなこともある。  そんな中で、一つジレンマを感じたことは、河川の事業にもB/Cがあり、これは不思議な話だなと思っている。道路とか鉄道というのは、確かにどういう人たちが乗るのかとか、B/Cというところの評価というのは当然出てくるのであるが、河川というのは人命を守るために、家が10軒であろうが100軒であろうが、守る命は一つであるから、そういったところにB/Cの評価を取り入れながら事業の採択をしていくという国の基準であるが、非常にジレンマを感じている。だから、こういった事業の採択の在り方というものに対して、地方から声を上げて、国に弾力的な運用を求める必要があるのだろうと私は思うが、いかがか。 169 ◯知  事  指摘のとおり、災害復旧制度には従前に施設の機能を戻す一般の災害復旧と、さらに機能を強化する意味での改良復旧があるわけである。改良復旧のほうは、やはり考えてみると、そこを上乗せした部分というのが、ある意味ほかのところの新設と同様の考え方があるわけなので、そういった意味では経済性というところも一定程度見るというようなことの考え方が導入されているのかなと思っている。  一方で、今のお話にもあったが、柔軟に対応するというような趣旨で、例えば堤防が決壊したような場合のかさ上げのようなときには、一部この通常の災害復旧のほうで見ていただけるというような改善もされてきていると伺っている。  全国的な課題であるし、B/Cのことを今すぐに直してくれというようなことをやっても時間もかかるし、なかなか簡単ではないので、今回の災害対応としては、できるだけ狭隘部を広げるというようなところの一般の災害復旧のほうに見てもらう範囲をちょっとでも広げていただいて、少しでも効果を早く上げていく、安く上げていく、こういうことを考えながら進めていきたいと考えている。 170 ◯仲倉委員  今回、鹿蒜川に関しては、いち早く輪中堤という一つのメッセージを発信していただいた。これは、命を守るということを最優先に輪中堤という一つの大きなメッセージだったのだろうと思っているが、河野川に関しては、命を守るという一つの強いメッセージが、あまり住民には伝わってこないというところが非常に私も不安に感じているが、最後に知事、河野川、特にこの沿川集落に関しても、命は守るんだという決意があったらお知らせしてほしい。 171 ◯知  事  私も水害が起きて、すぐにヘリコプターで上空を見させていただいたときに、河野海岸のところを行ったときに、まさに土砂が川から流れて、茶色くなっていたところがあった。これが河野川とそのときも聞いていたが、すぐ分からなかったが、後からあれは河野川だったんだなということがよく分かった。  大変地域としてもまとまりがよくて、本当に我慢強く自分たちで復旧作業もされたということで、なかなか最初の段階で手が回らなかったというところは、大変申し訳なく思っている。これから当然のことながら、こうしたところを地元で頑張るというところも、早くこちらのほうで手を伸べて、命はもちろん、復旧に向けて力を発揮するということを心がけていきたいと思っている。 172 ◯仲倉委員  よろしくお願いする。次に、農林水産業の被害について伺いたいと思う。承知のとおり、田んぼもがたがたで、稲だけ見ると割と青々としていたり、少し変色もしているから育っているように見えるが、実際、中には入れない状態であって、瓦れきなどいろいろなものが混じって、特にこの鹿蒜地区は、大体40町分くらいあるがそれの8割くらいはもうやられている状態で、これからパイプラインの復旧や、そしてまた用排水の改修、そして田んぼそのものの土の土壌改良をしないと田んぼができるような状態ではないわけである。  河川工事もあるから、河川工事によって田んぼの形も多少変わってくるというところはあるが、地権者との協議も踏まえて、これからどのようなタイムスケジュールでこの田んぼの環境を整備して事業計画を立てていくのか、その辺について報告してほしい。 173 ◯農林水産部長  今回の大雨により、南越前町、勝山市では、広範囲にわたり、特に稲刈りを目前とした水田とかそういった農地に土砂が堆積し、農道や用排水路の一部が流出するなど、大きな被害が発生した。  市町では現在、被災した用排水路や農道の仮復旧工事として、土砂撤去や仮設ポンプの設置などを行っている。また、災害査定については、10月11日に着手し、11月中旬には終えるよう国と協議している。査定後、速やかに工事が開始できるよう設計書作成など準備を進めている。  県としては、来年の作付けにできるだけ間に合うように、国に対して予算の確保と復旧工事が複数年にわたる場合での支援、こういったものを強く要望していく。また、市町の復旧工事等に係る技術支援を継続するとともに、国の補助対象とならない40万円以下の箇所についても被災した農家の負担がなくなるよう、9月補正で制度化している県単事業の活用により、農業者が一日も早く生産活動を再開できるよう支援していく。 174 ◯仲倉委員  確かに話があったように、国庫のかさ上げによってかなり農業者の自己負担が軽減されるということにはつながっているが、一回土地改良をして過去に負担金を払って耕地整理したという経緯もある。またこのような事態になって、新しく負担金を払えということになると、なかなか続かないのだろうなということもあるし、また今、特に国全体がそうであるが、田んぼの集約化とかいう形で、耕作者と地権者が違う状況というのがどこの地域でもある。そういう中で、誰がその負担金を払うのかというところもなかなかこれから調整がつきにくいところもあるから、できるだけ負担金がないようにしていただくと非常にありがたい話である。よろしくお願いしたいと思う。  今、来年の作付けに間に合うようにという話もあったが、私は物理的に無理だと思っている。これは、こんな30町も40町も田んぼの土を入れ替えて、構造物は割とパイプラインなどは復旧ができるのかもしれない、水の取り入れなんかも応急復旧できるのかもしれないが、土そのものを元の土に戻すというのは、かなり至難の業で、私は二、三年は最低かかると思っている。  今、専業農家が耕作者として認定農業者としているのであるが、そこの雇用をどうすればいいのか、非常に問題になっている。今、JAのほうにもお願いして、そういった雇用機会というものをつくっていただく話はさせていただいているが、県のほうとしても、そういったところのフォローアップや支援というものを必要とするが、いかがか。 175 ◯農林水産部長  特に被害の大きかった南越前町の農業者の方については、復旧工事の進捗の度合いにより、来年以降の作付け見通しも変わってくるので、これをまず踏まえることが大事だと思っている。  今現在だが、JA、農林総合事務所が収入確保のための一時的な就業先として、トラクターの操縦などの農作業受託をするJAの組織へのあっせんといったことを計画しており、本人の意向というのを確認している状況にある。また、この方を含めて、9月補正予算案の被災した農業機械の修繕等の補助により、営農継続については支援していきたいと思っている。 176 ◯仲倉委員  ぜひお願いしたいと思う。今年はまだ労災が支給対象になるものだが、ただ、来年以降作付けしないということになると、保険も対象にならないということであるので、そういったところをお願いしたいと思う。  田んぼもそうであるが、山もずたずたの状況であって、森林組合が今年も計画していた事業箇所の4分の3は入れないということで、恐らく赤字決算になるのだろうというようなことを思っているが、そういった事業体はもちろん仕事もできないというところの救済はもちろん必要である。  また、これから谷からも土砂がどんどん出たものが、取りあえず土のうで押さえてあるところが恐らく100か所くらいあるんじゃないかと思うが、そういったところの復旧というものもこれから出てくると思う。これから計画的に治山なり砂防なり、そういったところの応急復旧そしてまた谷から出てきそうなところへの予防事業なんかもこれから取り入れていただきながら、計画的に事業を進めていただきたいと思うが、いかがか。 177 ◯知  事  今回の大雨により、山地で災害を受けている場所は、いわゆる砂防とはちょっと違って農林水産の関係の箇所数でいうと、南越前町とか勝山市、それから敦賀市を中心として31箇所山崩れや渓流からの土砂の流出があるという状況である。  また、お話のあった林道、こういう路網のところも816か所で被災をしているという状況で、そういう意味で、森林組合などの事業体からは、特に来年度事業にかかるような場所のところのアクセスのための林道を早く開けてほしいというような要請を強くいただいているところである。そういうことで、優先的にそういったところから復旧を図っていきたいと思っている。  また、県としては、これまでに被災した市町に対して、延べ65名の技術職員を派遣させていただいている。仕事の中身としては、災害査定があるので、このための被害状況の調査とか、査定資料を作ることの応援もさせていただいているところである。  これからであるが、災害の復旧を急ぐということが第一、その上で、林業を進めるために航空レーザー計測をやっている。これを特に赤色立体図という、木ではなくて地面のところが分かるデータも取れる。これを見ると、この次に大きな雨が降ったらどこが危ないかというところも分かるようなことになっているので、こういうものも使わせていただいて、これから次の災害の備えるということで、予防保全を効果的に行っていきたいと考えているところである。 178 ◯仲倉委員  山から土砂が流れてきたという話をしたが、知事もヘリコプターの上から見ていただいた現状の中で、海のほうへ土砂が出てきたという光景をご覧いただいたと思う。海が茶色になっているあの状況、恐らくまだ記憶におありになるだろうと思っているが、今、特に近海の沿岸の状況が非常に変わったということである。当時、被災直後は、今うちも三つ定置組合があるから、漁師が船を出して、糠、甲楽城、河野と三つの組合が船を出して、そういった木の回収に努めて港へ仮置きして、また今違うところへ仮置きをしているが、いずれにしても網が壊れたり、当然漁獲量も減っており、そういった漁業者、漁業組合、漁業事業者の収入というのも当然減ってくるわけであるし、また、河川も同様に、川が濁って魚が住みにくいような環境になってしまった。そういった沿岸の海岸と河川の中のそういった環境というものをどういうふうに修復していくのかということと、もう一つは、それぞれに事業者がいるから、そういった事業者の救済をこれからどのようにやっていくのか、併せて伺いたいと思う。 179 ◯土木部長  今回の大雨では山間部とか、河川のほうでいうと崩壊した護岸といった背後から土砂が流れて、水質汚濁が発生しているという状況と認識している。  今後については、まだ川の中に土砂がたまっている状況があるので、そうした土砂をまず速やかに撤去することが第1点かと思っている。その上で、これから河川の工事で災害がかなり発生しているので、かなりの工事箇所があるので、そういった工事をする際に、漁業組合の方などの関係者の意見も聞きながら、必要に応じて仮締切ということで、工事によって土砂が流れない対策を取りながら、濁水ができるだけ発生しないような取組を河川、それから近海のほうでも行って環境改善に努めていきたいと考えている。 180 ◯仲倉委員  漁業者への救済という話は、今ちょっと質問させていただいたが、あえて島田委員のときに答えたから、もういいということで答えられない、そういうことならそれでいい。分かった。  あと、観光業もものすごく風評被害があった。今回この南越前町という名前で、全国ネットにひどい映像ばかりが流れて、キャンセルが200件あったそうで、南越前というだけでキャンセルされたというような、そんな状況が実はあったわけである。被害に遭ってない民宿の方もあるわけであるから、11月からカニのシーズンに入ってくる。そのときまでに風評被害を取り除いて何とか売上げを上げたいというのが地元の観光業の皆さんの思いであり、もちろん、もう道路はちゃんと通れるとか、いろいろと交通アクセスのところのちゃんとした広報ということも大事であるが、こういった観光業の風評被害の払拭について、県として何か支援があったら報告をしてほしい。 181 ◯知  事  指摘のとおり、特に8月の5日以降、嶺南と嶺北、交通が完全に分断されて、行き来ができないということがあった。そういうこともあって、県内全域でもキャンセルが相次いだというような状況があった。  そういうことを受けて、8月9日から順次交通が再開をしていったので、県はすぐにホームページなどで、まずはこの交通状況というのを分かるようにする。それから、ちょうどお盆の時期だったので、逆に宿を取りたくても取れなかった人が結構いらっしゃるという話を別途私も聞いたので、職員と議論をしたら、すぐに職員が手作業で、県下の350ある旅館とか民宿なんかも含めて電話かけて、空いている日を調べて、「今からでも予約ができる宿泊施設」ということでホームページにアップをして、それなりにこれでリカバリーができたというようなお話もあった。そういうようなことをこれまでも努力をしてきている。  これからについては、まさにカニのシーズンということもある。来月の11日からは、全国の旅行支援というのがまた始まるわけで、福井県の県単独の上乗せというのは、全国で見ても非常に手厚い支援になっている。例えば、平日シニアに対するクーポンを割増ししてあげるとか、家族とかグループで来られた方々には、交通の関係のクーポンを出す。こうすることで代行とかタクシーとか、そういった方々にも使ってもらえるとか、あと、県内の旅行会社を使って県外に旅行に行くような人たち、こういう方々には、福井県内で使える交通クーポンを出すとか、いろんな形で県内の旅行業者の皆さんが潤うような仕掛けを手厚くやらせていただいている。そのほかに、また新幹線に向けてもいろんなPRをしていくので、こういったことを使って、何とか今回のマイナスをプラスに変えていけるように努力していきたいと考えている。 182 ◯仲倉委員  今回、今ほどお話があったように、嶺北と嶺南も断絶されたわけである。国道8号はもとよりであるが、北陸自動車道、またJRまで止まってしまった。こういう中で、長いこと分断された時間があったわけであるが、並行して365号線という国道があるが、この路線は南越前町から滋賀県の木之本へ直接抜けるルートであるが、冬季期間を含めて大体年間5か月くらいは通行止めになっているその路線があって、この路線も今、滋賀県知事ともいろいろお話もしていただいて、滋賀県と協力してやっていこうということで、滋賀県側はもうほとんどできているから、今度福井県側の明かり部の工事が今は進められているわけであるが、やっぱりこの路線のトンネル化によって早期に開通をさせて、こういった分断されたような事態に備えるダブルネットワークみたいな事業というものを早急にやっていく必要があるのだろうと思う。このトンネルの事業化に向けたさらなる決意をお聞きする。 183 ◯知  事  指摘のとおり、今回の災害により国道365号の特に滋賀県との県境部分のところが7か所で、しかも大規模に土砂崩れに巻き込まれているという状況で、いわゆる応急復旧ということができるような状況ではなくて、本格的に路線をやり直していかなければならないということで、今のところ来年度いっぱい復旧までかかるのではないかというような状況になっている。まずは復旧を一日も早くできるように、これから作業を進めていきたいと考えている。  その上で、県境部のところのトンネルについては、2年前の7月に滋賀県の三日月知事と私で懇談をした際に、ぜひやっていこうということで合意をさせていただいている。現状でいうと、ここのところどういうやり方していくのかということを考えるための仮にボーリング調査を行っているというようなことで、これから技術的な検討をしていくというような状況である。  今回の災害を受けて、特に北陸道、国道8号プラスして国道365号が元気であれば、何とか少しでも交通が通せるということになるわけである。それを非常に痛感させていただいたので、先月の29日であるが、近畿地方整備の渡辺局長と意見交換する機会があったので、何とかこれを前倒しして事業化していただくようにお願いもさせていただいたところである。ここは滋賀県とも連携ができているので、これからさらにタッグを強く組んでいきながら、国に対して要請を続けていきたいと思っている。 184 ◯仲倉委員  今、基礎調査を進めているというところであるので、またスピード感を持って、ぜひともお願いをしたいと思う。  今回の災害を受けて、もう一つ心配していることがあって、南越前町は、小さい町であり、財政規模も小さいところがある。今回、激甚災害によってかなりの部分が、国や県のほうから財政支援が受けられる状況にはなっているが、今後かなりいろんなことがまた出てくると思う。そのたびに起債を起こしてそれでやっていくということになると、通常事業や災害対応以外の仕事というものが、なかなか進んでいかない心配を実はしており、こういった被災自治体に対して県のほうから財政支援これからの方針があったらお聞きをする。 185 ◯地域戦略部長  まず、南越前町への財政支援については、県では発災後直ちに普通交付税の繰上げ交付を緊急的に国に要請をして、南越前町に対し専決処分などの当座の資金として2億6,000万円を送金した。  また、今回の災害は激甚災害指定の見込みが高く、財政支援がかさ上げされて手厚くなって、町費そのものの負担額はある程度抑えられるものと考えている。  それに加えて、特別交付税については、被害状況などを考慮して、今後、国が配分するが、県としては町からの要望をしっかりとお聞きし、災害復旧に要する経費を算入するとともに、町独自でやっている事業が幾つかある、そういった事業に要した経費についても確実に取り込むようにしたいと考えている。こうして特別交付税を含め、特段の財政措置が図られるよう、県や町とともに国に求めるとともに、十分な復興財源の確保、そして町が単独でできるような事業をちゃんと確保できるよう、財源の確保に努めていく。 186 ◯仲倉委員  よろしくお願いする。災害の話はこれで一通り終わらせていただく。  次に、コロナ対策について伺いたかったが、先ほど渡辺委員のほうから、かなりいろんな角度から質問もあったので、1点だけ確認をしておきたいと思っている。コロナに対しての国民意識とか認識とか、付き合い方とか、かなり従来とは変わってきたような感じはする。  その中で、今回全数把握が国の方針により見直されるところであり、国が見直す前に福井県は、先に見直されて2週間やってみて、何か不都合があったりメリットがあったり、どうだったのか。あるいはどこから話が出てきたかというと、やっぱり医療関係者の負担軽減というところがあったのだろうと思うので、そういったところの評価というものがどうなのか、まとめて伺いたいと思う。 187 ◯地域医療対策監  発生届の限定化については、医療機関や保健所が65歳以上など重症化リスクの高い方に業務を集中できるようにして、治療や健康観察に集中するということを目的としている。本県では全国に先行して実施し、これによって医療機関から発生届の必要な数はこの2週間を見ると患者全体の25%程度に絞られているという状況である。そして、26日からは全国一律に限定化が実施されることになり、これに伴って国への患者数報告のシステム改修がなされた。これによって、さらに入力が簡便になり、医療機関の負担軽減が図られていると考えている。  また、発生届対象外の方をサポートするために設けた総合相談センターでは症状が悪化した場合の受診の調整、あるいはホテル療養の希望などを受け付けているが、これまでのところ、1日200件程度の相談に対応しているという状況である。  課題として、当初は発生届対象外の方が体調不良を起こしたときに、スムーズに受診の調整をしたり、あるいは入院の調整ができるかということを考えていたが、こうしたケースは今までのところ、1日に1件あるかないか、そうした状況である。  ただ、一方で、発生届の対象となる65歳以上の高齢者の方が医療機関を受診せずに自己検査で陽性と判定され、それで登録をするというケースが見られているので、こうした重症化リスクの高い方については、保健所から本人に連絡の上、医療機関を受診するように勧める対応を取っているところである。 188 ◯仲倉委員  分かった。それでは、北陸新幹線について伺いたいと思う。敦賀開業までもう1年半ということになった。駅も福井駅に続いて、芦原温泉、越前たけふと徐々にできてきて、そしてまた、レールももう敷かれているということであるが、いつになったら試運転が始まるのか、非常に心配もしている。  当初、2年前から試運転しなければいけないという話があったり、1年半だとか1年とか、だんだん短くなっていっているが、いずれにしてもひと冬は越えなきゃいけないという話も聞いているが、試運転はいつ頃になるのか、何かそういった情報があったらお知らせをしてほしい。
    189 ◯新幹線・まちづくり対策監  試運転の予定ということで質問をいただいた。工事の進捗と併せて今後のスケジュールを改めてお答え申し上げる。  今、指摘もあった県内の工事であるが、本年の4月末には土木工事が完了して、それから建築工事、今も指摘あった福井駅がちょうど先月25日に完成して、それから芦原温泉駅、越前たけふ駅が、今月21日に完了するということで、順調に推移をしている。  また、県内全域でレールの敷設工事、それから電気等の設備工事が現在進められていて、レールの敷設工事については本年12月までに完了予定と。その後、電気設備工事は来年夏頃の完了見込みとなっている。試運転については、これらの工事、それから敦賀駅がまだあり、敦賀駅の工事が完了する来年の秋以降に実施をされる予定である。このときに施設の様々な検査等も併せて行われると聞いている。引き続き、令和5年度末の確実な開業に向けて、毎月やっているが、工程及び事業費の適切な管理を求めていく。 190 ◯仲倉委員  来年の秋ということであれば、半年前でも別に試運転問題ないのか。 191 ◯新幹線・まちづくり対策監  これまで先行的に、例えば金沢開業とか、今回の長崎新幹線とか、そういったような先行事例を見ても同じようなスケジュールで進んでいるので、試運転後、そして開業の3か月くらい前から訓練ということで、しっかりと運転の状況を確認するということであるので、そういう見込みである。 192 ◯仲倉委員  次に、敦賀以西、また頭の痛い話になってきたが、今回この事項要求という形になった。私は、この事項要求そのものについて議論するつもりはない。この後、12月に示される政府の予算案にしっかりと事業と、そして1円でもいいから金額が明記されるというところが我々の大きな目標である。これから残された2か月半くらいになってきたが、残された時間そんなにないわけで、この12月に示される予算案に、福井県としてはどのような形に示されることを望んでおられるのか尋ねる。 193 ◯知  事  敦賀以西の来年度予算の内容についてということである。この北陸新幹線の敦賀以西の着工については、案内のとおり環境アセスメントが今遅れているということの上に、またさらにトンネルの土砂をどうするのかとか、地下水の問題、さらには京都駅、大阪駅の工事が難工事だというような施工上の課題があるということと、それから財源の手当ても含めた着工5条件を整理していかなければいけないということで、数々のこれからクリアすべき課題があるというような状況である。  そういう中で、与党PTはこれまでに令和5年度当初の着工ということで決議をされているわけであるし、国土交通大臣はそれを重く受け止めて、施工上の課題等を早期に解決を図っていくといったことの決意も言われているわけである。  そういう中で、今度事項要求ということになったわけで、この中では多くの課題をどうやって知恵を出して解決していくのか、国土交通省を中心にそういったことをよくお考えをいただいて、我々としては、一日も早く大阪まで全線開通できるような形で今回の来年度予算の予算づけをしていただきたいと思うし、それができるように我々としても与党を中心に、県議会の皆様とともに国会議員も力を合わせて要請活動をしていきたいと考えている。 194 ◯仲倉委員  今ほど課題というものを、知事いろいろおっしゃっていただいた。本当にあと2か月半の間にそういったことをクリアしていくって、本当に至難の業である。まずこの環境アセスメントが年内に間に合うのかどうか。環境アセスメントは入り口なのである。環境アセスができなきゃアセスの報告書も出てこないわけだから、環境アセスが年内に間に合うのか、その辺の情報があったら教えてほしい。 195 ◯新幹線・まちづくり対策監  鉄道・運輸機構からは、現在、準備書の作成に向けた現地調査等を行っているところであると聞いている。  承知のとおり、現地調査については、一部地域で環境への影響を懸念することから事業に反対の意見があり、当初予定より遅れているという状況である。それから、環境アセスメントの完了には、現地調査が終了してからも準備書、評価書といった手続が必要であると承知をしているところである。  今後の手続等を考えると、かなり厳しい状況であると思われるが、機構からは今後のスケジュール、見込みについては回答できる状況にはないというふうに聞いている。県としては引き続き、早期着工に向け、国や鉄道・運輸機構に対して環境アセスメントの丁寧かつ迅速な実施、作業の短縮等を求めていく。 196 ◯仲倉委員  国が今回答できる状況ではないということは、そういうことなのだろう。環境アセスメントが出てこなきゃルートが決まらないわけである。ルートが決まらなきゃ事業費も出てこない。事業費が出てこなきゃ結局B/Cも測れない。そういったことを含めると、それにまた着工5条件が出てくるわけである。財源をどうするのかという話が出てくる。例えば工法、大深度、本当に技術的に大丈夫なのか、あるいは駅部をどうするのか、どういう建て方にするのか、そういうことが環境アセスがまず入り口で、それから次々、次々いろんなことをやっていく作業が、果たして2か月半の間に整理されるのかどうか。私は、物理的にかなり厳しい状況であるということは、もう申し上げるまでもないというふうに思っており、私は着工5条件全てそろわなくても着手できるのだろうと実は思っている。そういった認識はないか。 197 ◯新幹線・まちづくり対策監  指摘のとおり、非常に厳しい状況であろうかと認識をしている。敦賀以西の認可・着工については、着工5条件の確認というのが制度上、必要だろうと考えている。引き続き政府・与党に対して、着工5条件の確認に向けた議論の加速を求めていきたいと考えている。  今、状況であるが、敦賀以西の着工に向けて、概算要求では事項要求となっており、国土交通省においては、来年度事業の内容については、今後の予算編成過程において調整すると述べておられる。年末の政府予算決定までにあまり時間がないわけであるが、国において、事業を進めるための様々な検討が現在進められるというふうに考えており、一日も早い全線開業が実現できるような予算を盛り込んでいただきたいと思っている。 198 ◯仲倉委員  確かに国が先頭に立っていろいろなことをやっていただくのは当然のことであるが、国にどういうふうに効果的に動いていただくのか、そしてまた、具体的にどういう形で着工に結びつけていくのか、ある程度こっちから具体的にボールを投げなきゃいけない時期が、もう来ていると実は思っている。  新幹線というのは承知のとおり、整備新幹線イコール政治新幹線と言われてきて、過去には政治が知恵を出していろんなものを乗り越えてきたという歴史がある。そういったことを考えると、通常のルールどおりでいけば、なかなか難しい問題も、私は知恵を出してある程度克服できるという、そういう場面というのは必ず出てくるのだろうと実は思っている。  今日これで9月議会も終わるから、定例議会としては12月までないものだから、もう終わってしまうので、今日少しその辺の話をさせていただきたいが、確かに敦賀から大阪までの認可は大事である。であるが、今工事認可一括でというところにこだわってしまうと、なかなかすんなりいかないと思う。まず、できるところからやる。しかも前提としては、新大阪まで必ずやるのだという政府が担保を一つつくって、それから例えば部分着工、中部縦貫自動車道、今、荒島第二トンネルができたが、あそこもずっと工区分けしている。その工区分けという道路に活用している事業の仕方を鉄道にも採用をすべきなのだろう。今、特に条件が整うところ、福井県は割と条件が整うから、そういったところを敦賀から小浜まで、最終的には新大阪までやるのだが、敦賀から小浜まで取りあえず工区を設定してそこを先行的にやるとか、例えば小浜駅の駅部の部分認可、これは福井駅で先行事例があるから、そういったところも不可能ではないと私は思っている。そういった具体的な球をどんどん投げていって、知恵を出し合って、令和5年度当初に着工と我々は拳を上げたから、昔みたいに南越駅で高度化事業でやったようは話ではなく、1円でもしっかりと新幹線事業で敦賀以西を令和5年に着工したんだというものを勝ち取らなければいけないだろうと思っているが、いかがか。 199 ◯新幹線・まちづくり対策監  やはり新幹線というのは、大阪までつながってはじめてその効果が最大化されるということで、これは非常に国としても最重要プロジェクトであろうということで、熱意を持って一日も早い全線開業を国に対して伝えていく必要があると私どもも考えている。  いろんなやり方を指摘、提案いただいた。福井駅の部分認可というのは以前あって、それについては現在と状況が違うのは、そのときには環境アセスメントが全て終わった上で駅部の認可ということが認められたという経緯があるので、今回と少し事情は違うのかなというふうに思う。  工区を分けて先行着手という提案、事業を進めるための一つの手段であろうかと思うが、いろんな制度的な課題があって、アセスメントのやり直し等、そういったことも必要になるということもあるし、やはり一部地域だけを先行させたときに、他の地域がどのように事を受け止めるのかといったようなことの可能性もある。全体の事業、大阪までいかに早くつなぐのかという本来の目的に立ち返ったときに、ベストな選択は何かということについては考えていく必要があるのかなと思っている。 200 ◯仲倉委員  ここで新幹線・まちづくり対策監と議論してもなかなか前に進まないからやめるが、ある程度ターゲットを絞って、こっちからいろんな球を投げながら、本当にそれができるのかどうか、そういった可能性も含めてぎりぎりの調整をしていくというのが私は政治だと思っているので、そういったところの一つの行動を、ぜひこの2か月半の間にやっていただきたいと思っている。  前のB/Cを算定したときは、インバウンドを算定に入れてなかったらしい。今は少しコロナでしぼんでいるが、当時3,000万人とか4,000万人のインバウンドというものがあって、そういったものを新幹線の集客の中に入れてないという話もあったから、そういったものをコロナが終わって、どんどんインバウンド、3,000万人、4,000万人来るのか分からないが、そういったところも含めると、私はB/Cはかなり上がってくるのだろうと思っているので、そういったプラス材料もあるから、そういったことも活用いただきたいというふうに思っている。  最後に、新幹線の延伸後のまちづくりの話を1点だけしたいと思うが、県都であるから、福井県都グランドデザインも大事な話である。ただ、新幹線の駅というのは、別に福井だけじゃないので、芦原温泉もあれば、もちろん越前たけふも敦賀もあるわけで、それぞれの駅を中心としたまちづくりがあるが、昨日、宮本委員から歴史的な話をいろいろいただいて、結城秀康、そして本多のお殿さんの話などいろいろしていただいき、非常に私も勉強になった。その中で、紫式部が京都から唯一都を離れて敦賀から今庄、南条を通って武生へ来たという足跡も残っているのである。名前を聞くと日本中が知っているから、この紫式部をどんどん前へ出して、もっともっと越前市だけじゃなくて福井県全体としてもこの素材を新幹線後のまちづくりの集客として、せっかく大河ドラマで取り上げていただくわけであるから生かす必要があるのだろうと思っている。その辺について、この紫式部の越前市でプロジェクトか何か立ち上げているのか、福井県としてそういったところへどんなふうに絡んでいき、どのように支援していくのか、その辺について伺う。 201 ◯交流文化部長  「光る君へ」が放送される2024年度は、申し上げるまでもなく、北陸新幹線県内開業の年であり、秋にはJR各社協力いただくディスティネーションキャンペーンも開催されるなど、誘客拡大に絶好の機会である。ただいま委員からも指摘いただいたように、越前市と綿密に協力をして、紫式部公園とか、紫式部ゆかりの館をはじめ、式部の素材を最大限活用してどんどん前に出して、全国に発信していく。  今年5月には県議会の誘致議連の皆様にも協力いただき、NHKの会長とも面談し、「光る君へ」などにも本県のエピソード等々お伝えして、ドラマに取り上げていただくよう要望したところで、これからも引き続きそういう形で、少しでも福井県が取り上げていただけるように頑張っていきたいと思っている。 202 ◯仲倉委員  ぜひともお願いしたいと思う。  それでは最後に、地域戦略部長は、その前は産業労働部長ということで、いろいろ越前たけふ駅の駅前をどうするのかということを越前市ともいろいろ相談をさせていただきながらやりとりをしていただいたと思うが、現駅と併設ではない唯一の駅であるので、これから真っさらな駅前をどのように描いていくのかというのは、非常に難しいところもあるだろうが、市と県とで県都グランドデザインをうまくやっていただいた経緯もあるので、この越前たけふ駅を県として越前市とどのようにスクラム組んでやっていくのか、そういったところの意気込みとか方針があったら、お聞きしたい。 203 ◯地域戦略部長  越前たけふ駅、産業労働部長のときも関わってきてやってきたが、現在の状況を詳しく捉えてはいないが、道の駅とか周りの道路の整備は進んでいると思っている。  ただ、難しいのは、新幹線効果の逆効果というか、土地の値段が大きく上がってしまっていて、産業団地としては非常に単価が上がってしまうということもお聞きをしている。そういった中で、やはり新幹線の駅の近くというメリットを生かして、企業誘致や商業施設をしっかり整備していく必要があるというふうに認識をしている。その産業団地の支援に当たっては、県の産業団地というのはなかなか条件で難しいが、補助金という形でも支援できると思うので、それはしっかりやっていきたいと考えている。  それと、もう一つ、アクセスの問題があると思うので、二次交通、市街地から非常に離れているので、そういったものの整備もきちんと県としては支援していく必要があるというふうに思っている。  やはり産業団地の支援というか、産業集積を進めながら、それも工場じゃない高付加価値の研究所とかそういったものを進める必要があるのかなというふうに思っているし、あと、私の構想であるが、大学とか教育関係、これもやはり都会からのアクセスが非常によくなるので、そういったものの誘致も集積するというのは非常にメリットがあるのではないかなと思っている。新幹線がせっかく県内の4駅の中では、真っ新でできる所なので、自由に構想できると思うので、そういった企業誘致、大学誘致、そして市街化へのアクセスきちっとやっていきたいと思うので、私もできる限り応援したいと思う。 204 ◯仲倉委員  終わる。                                 ~以  上~ 205 ◯山岸委員長  以上で、仲倉委員の質疑は終了した。  以上で、通告による質疑は全部終了したので、ほかにないものと認め、付託議案及び付議事件についての質疑は終結した。  これより、付託議案に対する討論に入るのであるが、ただいまのところ通告者はないので、ないものと認め、本件に対する討論は終結した。  これより、付託議案のうち、議案7件の採決に入る。  採決は一括して、起立によって行う。  第63号議案から第66号議案まで及び第77号議案から第79号議案までの合計7件を、原案のとおり決定することに賛成の方は起立願う。             〔起立全員〕 206 ◯山岸委員長  起立全員である。よって、本件は原案のとおり決定した。  次に、付託議案のうち、第75号議案 令和3年度福井県歳入歳出決算の認定について及び第76号議案 令和3年度公営企業会計における余剰金の処分及び決算の認定にいての審査についてお諮りする。  予算決算特別委員会要綱の規定により、決算議案は9月定例会と12月定例会の間の閉会中に審査を行うことになるため、第75号議案及び第76号議案については、閉会中の継続審査とする旨、議長に申し出たいと存じるが、これに異議ないか。       〔「異議なし」の声あり〕 207 ◯山岸委員長  異議なしと認める。よって、そのように決定した。  なお、審査日程及び審査の手順、今年度の決算審査方針については、理事会において協議願い、お手元に配付の資料のとおりとしているので了承願う。  以上で、今回付託を受けた議案及び付議事件の審査は全て終了した。  委員長報告については、理事会に一任願う。  また、委員会記録の作成については、委員会条例の規定により、私に一任願う。  以上をもって、予算決算特別委員会を閉会する。                               ~以  上~                    予算決算特別委員会                      委員長  山 岸 猛 夫 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...